坂本冬美 泉ピン子を引っ張り出した座長公演初日 客席からはすすり泣き
歌手の坂本冬美(51)が2日、座長を務める大阪新歌舞伎座「坂本冬美特別公演」の初日を迎えた。第一部の芝居「恋桜-いま花明かり-」では芸者に扮し、あでやかな姿を披露。第2部「坂本冬美オンステージ2018 艶歌の桜道」では劇場いっぱいに広がる歌声で、客席を魅了した。
一部の芝居ではほぼ出ずっぱりの坂本。「ドキドキしていたら舞台が終わりました。初日なのに、千秋楽を迎えたような気分」と振り返った。
この芝居には10年ぶりの舞台となる泉ピン子(71)も出演。「もう一度、舞台に立ってもらいたくって」と口説き落とした。
泉は「舞台はもうやらないって決めて、化粧前(楽屋用の鏡台)なんかは小林綾子にあげた。もう残っているのはのれんくらい」と劇場公演には区切りをつけたつもりだった。だが妹のように可愛がっている坂本から頼まれ出演を決意。「だから“特別出演”じゃなくて“友情出演”。冬美ちゃんが背中を押して、勇気をくれた」と笑顔を見せた。
さらに「座長が大変なのはよくわかってるから。私が広報部長もやった」とテレビ局のコネを総動員し、情報番組などに出演して宣伝。そんな仲のよい2人の丁々発止の掛け合いは絶妙。客席を笑いと涙の渦に巻き込んだ。
年齢も経歴も全く違う2人は、坂本の浪曲の師匠である二葉百合子を通じ、同じく浪曲師を父に持つ泉と親しくなった。その二葉の大ヒット曲「岸壁の母」を2部のオンステージで熱唱する際には、泉が曲紹介。坂本は「二葉先生からは『上手く歌おうとは思わず、気持ちで歌って』と教えていただいた」と直伝の歌を披露すると、会場からはすすり泣きも漏れた。
さらには坂本自身の大ヒット曲「夜桜お七」や「また君に恋してる」も熱唱。さらには12月5日発売のカバーアルバム「ENKA3」から「港町ブルース」なども一足早く披露していた。
公演は25日まで。