ホラン千秋キャスターの1日に密着 TBS系「Nスタ」好調けん引!!
平日帯の情報番組キャスターたちは、一体どんな1日を送っているのか。TBS系「Nスタ」(月~金、後3・49)のホラン千秋(30)に密着。会社員のように同局に“出社”し、3時間の生放送を絶妙なバランス感覚で完遂する仕事人を追った。
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12時45分、ホランはTBSのゲートに顔写真入りのパスを「ピッ」とタッチし、入局した。すれ違う全員と「おはようございま~す」とあいさつをし、報道局にある自分のデスクに座る。局員と見間違えそうになるほど自然な“出社”ぶりだ。
メーンの井上貴博アナ(34)ら他のキャスター陣も、それぞれのタイミングで着席。13時になると最初の打ち合わせが始まった。この日のトピックとして、日中首脳会談と前夜のプロ野球ドラフト会議の続報、ダムに転落したイノシシの捕獲作戦などが上がる。
キャスターたちに配られる進行表には「0版」の文字。新しいニュースが入る度に刷新され、多いときには「8版」になることもあるという。
約10分で最初の打ち合わせを終えると、ホランは「合理的で茶色過ぎる」と話題の手作りお弁当を食し、楽屋へ。衣装の選定に入る。スタイリストが1週間に上下20着ずつほどを用意し、大事故や訃報を扱うときは落ち着いた色を選ぶなど、その日のニュース内容に合わせてどう組み合わせるかを考えていく。
15時過ぎには、キャスター席に戻り、再びディレクターと打ち合わせ。この時点ですでに、進行表は「2版」に変更されていた。
15時30分、報道局の中心にあるデスクに移動し、放送前最後の打ち合わせが始まる。プロデューサーの話に耳を傾けながら真剣な表情で資料を読み込むホラン。打ち合わせが終わると、一呼吸つく間もなく、スタジオへ直行した。15時49分、いよいよ放送が始まる。
5台のカメラと巨大モニターに囲まれ、絶えることなくスタッフが新しくなった原稿を渡しに走ってくる。フロアディレクターの「(CM)空けてVTRで~す!!ワイプ入ります!!」などの声が響く度、緊張感が高まる。
VTRやCMが始まるとモニターに映像終了までのカウントダウンが映し出され、フロアディレクターが残り時間を読み上げていく。ホランらキャスターがコメントし、VTRに入り、カウントダウンの声が響く…緊張と緩和の繰り返し。あっという間に3時間が過ぎていった。
19時に放送が終了。ホランは「お疲れ様でした~」と軽やかにあいさつをしながらスタジオを後にした。
キャスターとして気を付けていることを聞くと「例えば賛否両論ある中で賛に寄るにしても否に寄るにしても、反対側の意見を置き去りにしないというのは気を付けています」と明かした。真っすぐに意見を述べながら、俯瞰の目も持つ。絶妙なバランス感覚が、番組に安心感をもたらしている。
「常識を踏まえた上で発言をする、かといって当たり障りのない無難なことではなく、自分の価値観だったりエッセンスを入れるっていうのは、私たちテレビに出る人間の挑戦なのかなと思います」
テレビ局で働くことを夢見て、民放キー局の入社試験をすべて受け、全敗した過去を持つ。巡り巡ってTBSの夕方の顔となり「不思議といえば不思議ですね」と笑った。
ホランが加入した番組リニューアル前と比べ、現在の視聴率は1ポイント以上上昇。「少しずつ『Nスタ』がみなさんの日常に寄り添える番組になっているのかなと思うので、少しでも日常に当たり前のようにある番組になれるように頑張りたいと思います」。知的な顔をキリリと引き締め、局を後にした。