安藤和津、介護うつの後に「介護後うつ」も…「喪失感と燃え尽き症候群」
エッセイストの安藤和津が8日、フジテレビ系「ノンストップ!」で、実母の介護から「介護うつ」となった当時のことを涙ながらに振り返った。
安藤は実母が亡くなる06年まで10年以上にわたって介護を務めた。実母は料亭をきりもりする働き者だったが、突然「人格が変わった」と急変。「トイレには常にハサミが置いてあって。間に合わないからズボン、ストッキング、パンツを一気に切って脱ぐんです。それは脱ぎっぱなし」と、当時の様子を明かした。
病院に連れて行くと「脳腫瘍」と診断。その後も実母の行動の変化は止まらない。「きれいごとを言ったって、親の下の世話をするってことは決して楽しいことではないですよね」。夜中に15分置きに呼ばれ、寝る時間もない中、その挙げ句にトイレが間に合わず、手の上で排泄された時には「絶対言っちゃいけないと思ったんですけど『汚い!臭い!』って言っちゃったんです」と後悔も口にした。
結果、脳腫瘍から認知症を発症。介護の大変さから「自分の中にある母の遺伝子をつぶしたいぐらいに憎んでいた」というが、認知症の診断を聞き「自分自身を責めた」という。
その後、逆に安藤の様子がおかしくなる。テレビに出演しても言葉が出ず、原稿も書けない状態に。「一番ショックだったのが、お料理が作れなくなったときで、何をどうしても買い物もできないし、スーパーに行っても買う物が分からない」という状態。すでに介護うつとなっていた。
当時は夫の奥田瑛二が映画制作で多額の借金を背負ったことから、安藤自身も仕事もやめられない。「全てから楽になりたいという気持ちで(死に)誘われそうになる。これはヤバいと思った」とも振り返った。
その後、06年に実母は他界。介護からは解放されたが、今度は「喪失感と燃え尽き症候群。あとは娘達が育って、私がもう必要じゃないというのもあった」と、今度は介護後うつに苦しんだ。
そんな安藤が立ち直れたのが、孫の存在だったという。「孫のお陰。食べちゃうぞっていうぐらいかわいい。バアバ大好きって言われて涙が出る」と孫の世話が立ち直るきっかけとなったと振り返った。