日本テレビの大久保好男社長（６８）が１５日、都内で行われた民放連会長会見に出席し、「でっちあげ」疑惑が報じられた同局の人気バラエティー番組「世界の果てまでイッテＱ！」（日曜、後７・５８）の「祭り企画」休止を発表した。収録済みの１本が放送見送りとなった。祭りの拡大解釈と騒動に発展したことを出演者含め関係各位に謝罪する一方、「でっちあげ」「やらせ」との指摘には、「意図はありませんでした」と繰り返し否定した。

　会見に登場した大久保社長は「祭りの企画の解釈を拡大しすぎて疑念を生じさせた」と、人気企画「世界で一番盛り上がるのは何祭り？」騒動の経緯を述べ、「多くの関係者の方にお詫びを申し上げます」と頭を下げた。「皆様のご批判を真摯（しんし）に受けとめ、視聴者の皆さんに自信をもってお届け出来る体制が整うまで当面、祭り企画は休止と致します」と発表した。

　番組ＭＣの内村光良（５４）ら出演者にもすでに休止を告げ、事情説明と謝罪もしたと話した。収録済みの企画が１本あったが放送は見送り。内容は「放送されてないもの」という理由で明かさなかった。

　会見では、コメントの訂正もあった。８日発売の週刊誌「週刊文春」が報じた５月２０日放送の「ラオスの橋祭り」のでっちあげ疑惑に対して、同局は現地コーディネート会社主導を主張し、「セットなどを設置した事実はなく、番組から参加者に賞金を渡した事実もございません」と否定していたが、大久保社長は開催費用や賞金支払いがあったことを認めた。「現地コーディネーターに責任はなく、放送責任は日本テレビが負うもの」といい、出演者に「落ち度も責任もない」と、日本テレビに責任があることを強調した。

　一方、“ねつ造”疑惑には「意図はまったくありませんでした」と認めず。報道陣から「橋祭り」が作り上げたものならどう受けとめるかなど質問が飛んだが、「調査中。実態があるのか、詳細が明らかになってない」と語り、疑念の払しょくには至らなかった。

　「面白ければいいということでは済まない」と制作サイドに指示することも明かし、一般社会の倫理観に即した番組作りを目指すとした。