日産社長「強い憤り」不正3点公表 22日解嘱提案 刑事告発、損害賠償請求も視野
日産自動車の有価証券報告書に自身の役員報酬を計約50億円過少に記載した疑いがあるとして、東京地検特捜部は19日、金融商品取引法違反の疑いで会長のカルロス・ゴーン容疑者(64)を逮捕した。共謀した代表取締役のグレゴリー・ケリー容疑者(62)も逮捕。横浜市の日産本社など関係先を家宅捜索した。
日産の西川廣人社長は19日午後10時から横浜市の本社で緊急会見し、(1)有価証券報告書の虚偽記載(2)私的な目的での投資金支出(3)同様の経費支出の3点が確認されたと公表。株主や関係者に謝罪し、「残念という言葉を超えて強い憤りと落胆を覚えている」とした。
22日に2人の解職のための取締役会を招集することも明らかに。20年近く続いたゴーン体制を「負の側面」とし、不正の要因を「1人に権限が集中し過ぎた」と分析した上で、「第三者委員会を作って、背景や要因を掘り下げる」と徹底解明を宣言した。また、今回の件がルノー、三菱自動車との連携に影響しないことも強調した。
西川社長は「会社として訴えるかどうかは今日答えられないが、当然、それに値する事案だと認識している」と刑事告発や損害賠償請求の可能性も否定しなかった。