過剰なファンの行為はストーカー規制法の対象に…「行列」北村晴男弁護士に聞く
関ジャニ∞の大倉忠義(33)が「Johnny’s web」内のブログで、一部のファンの過剰な行為に苦言を呈し、芸能人とファンの関係に波紋が広がった。駅や空港で待っている女性ファンの一部がしつこく追いかけて周囲の人に体当たりする、プライベートで食事をしているといつも駅などで見るファンが隣のテーブルにいる-。大倉は「ストーカー行為ではないのか」「限界だ」と悲痛な声をあげた。こういった行為は「ストーカー規制法」の対象になるのか。日本テレビ「行列のできる法律相談所」に出演する北村晴男弁護士に尋ねた。
ストーカー規制法は第2条で、規制対象となる具体的な行為について記している。「つきまとい、待ち伏せし、進路に立ちふさがり、住居、勤務先、学校その他その通常所在する場所の付近において見張りをし、押しかけ、みだりにうろつくこと」。北村弁護士は同一人物に対して、「相手に不安を覚えさせる方法でこれらを繰り返すとストーカー行為になります」と述べた。
芸能人にとってファンの応援は必要不可欠。にもかかわらず大倉が一部ファンの行為の過剰性をブログで非難したことから、迷惑行為が1度や2度ではなく、「繰り返し」起きていることが十分に考えられる。従って当該ファンの行為は大倉が言うように「ストーカー行為」に当たる可能性がある。
では、コンサート会場等におけるファンによる「出待ち」はどうなのか。熱心なファンであればジャニーズに限らず各地のコンサート会場に出かけ、声援を送るものだ。
北村弁護士は「しつこく追いかけたりしない節度ある出待ちであれば、芸能人の側が『承諾している』上に、『不安を覚えさせる方法でもない』のでストーカー行為には該当しません」との見解を示した。
芸能人がプライベートで友人らと食事をしている際、隣席に駅などでよく見かけるファンがいることはどうだろう。
北村弁護士は「もちろんストーカー行為です。明らかに『不安を覚えさせる』し、『承諾』の範囲も超えています。プライベートでの食事において隣のテーブルにファンがいてもいいなんて、おそらく誰も承諾しないのでは」と述べた。
今後はどのような展開がありうるのか。大倉がブログで被害を訴えるだけにとどめているのであれば、ただちに警察が動くことはない。
しかし、一部ファンによる過剰行為が改まらなかった場合、大倉側がファンにストーカー行為をやめるように警察に「警告して下さい」と求めると、警察は第1段階として加害者に「警告」を発する。それでも改善が見られなければ最終的に逮捕、起訴、有罪判決-ということが考えられる。
ストーカー規制法は18条において「ストーカー行為をした者は1年以下の懲役、または100万円以下の罰金に処する」としている。
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北村晴男(きたむら・はるお) 弁護士。長野県出身。日本テレビ系「行列のできる法律相談所」にレギュラー出演。趣味はゴルフ、野球。月2回スポーツなど幅広いテーマでメールマガジン「言いすぎか!!弁護士北村晴男 本音を語る(まぐまぐ)」を配信中。