ゴーン容疑者 報酬差額の一部を受領か 毎年10億円超

 有価証券報告書に自分の報酬を約50億円少なく記載したとして、金融商品取引法違反の疑いで19日に逮捕された日産自動車の代表取締役会長カルロス・ゴーン容疑者(64)が、日産の株主総会で決議された役員報酬全体の上限約30億円と、実際に支払われた報酬額との間に毎年10億円超の差があったことが20日、関係者への取材で分かった。東京地検特捜部は、差額の一部をゴーン容疑者が受け取り、その分を有価証券報告書に記載しなかった可能性もあるとみて経緯を調べる。

 関係者によると、2008年6月、日産の株主総会で、役員報酬全体の上限が29億9000万円と決議された。一方、11年3月期~15年3月期に実際に支払われた報酬総額は最大18億8200万円だった。

 役員報酬の額は、取締役会議長でもあるゴーン容疑者が、同規模の企業の例などを参考にしながら、いずれも代表取締役であるグレゴリー・ケリー容疑者(62)=金商法違反容疑で逮捕=と西川広人社長と相談して決めることになっている。実際には、10億円超の差額の扱いも含め、議長と代表取締役を兼ねるゴーン容疑者が決めていたとみられる。

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