大吉先生の毒と徳 テレ東系「突撃!しあわせ買取隊」に密着 “秒殺査定”も笑いに
お笑いコンビ「博多華丸・大吉」の博多大吉(47)がMCを務めるテレビ東京系バラエティー「突撃!しあわせ買取隊」(木曜、後6・55)の、22日放送の2時間スペシャルで、埼玉県鴻巣市に出張ロケする様子を追った。NHKの朝の顔でもある売れっ子芸人の“毒”と気配りが行き届いた“徳”のバランスが、現場にプライスレスな空気を吹き込んでいた。
鴻巣市の路上にスタッフの声が響いた。「大吉さん、いまNHK出ました~!!」。NHKの情報番組「あさイチ」(月~金、前8・15)でキャスターを務める大吉は、午前10時30分に東京・渋谷の同局を出発し、昼ご飯などを経て、午後1時からロケを開始した。売れっ子らしいハードなスケジュールだ。
番組は、不要品のある家庭に査定士が訪れる買い取りバラエティー。9回の特番を経て、10月からレギュラー化された。今回は「人形の街」として長い歴史を持つ鴻巣市の元人形職人が、倉庫の品の買い取りを依頼。売ったお金で街道のフラッグを刷新し、改めて「人形の街」として町おこしをしたいという。
お決まりのつなぎに着替えた大吉を手持ちカメラ5台が追う。13時45分、依頼人の人形愛を聞いた後、いよいよ倉庫へと突入した。
同時にスタッフの「“秒殺”入りま~す」の声で“秒殺の査定士”の異名を持つ古美術のスペシャリスト、村上一憲氏が登場。エース査定士が早速、古びた箱を開けていく。
テレビ的演出なしでガチ査定する村上氏と、ガチ過ぎる評価に「みんなガラクタに見えてきた…」と肩を落とす依頼人。空気が悪くなりそうなものだが、大吉が「まだ2回の表ですよ。もう4点取られましたけど」などと軽妙につっこむことで両者の対比が笑いに変わっていった。
高そうなツボが「全然、新しい」と一蹴されると「まぁ、思い出の品ということで」と合いの手。なぜか出てきた便器を「これは値を付けるのが難しいですね」と秒殺されれば、すかさず「便器ほしいって人はなかなか…。需要と供給ですから」と場をほぐした。
15時35分に倉庫内の物色を終了した。大吉は江戸時代のかぶとを「原チャリのメット」と評すなど遠慮のない毒舌を繰り出しながら、つまづいたカメラマンに「大丈夫?ながら撮りはダメよ」と声をかける気配りを発揮した。
芸人仲間やファンからも“大吉先生”と親しまれ、NHKの朝の顔ともなった大吉。“毒”と“徳”を合わせ持つ、職人芸ともいえる緩急のバランスで現場の雰囲気をほっこりとさせた。