芸能事務所社長パワハラ疑惑で刑事告訴へ 被害者が会見「怖くて逆らえなかった」
芸能事務所社長によるパワハラ疑惑問題で、同事務所の元社員(以下、Aさん)が22日、都内で代理人の弁護士とともに会見した。会見終了後、刑事告訴の手続きを取ることも明らかにした。
会見では、新たなパワハラ疑惑が明らかにされた。登場したAさんの顔には、痛々しい古傷が。弁護士から事件の経緯が話され、それにじっくりと耳を傾けていた。
Aさんは14年に同芸能プロに入社。代理人弁護士によると、14年の忘年会で二日酔いになり、翌日の仕事を遅刻したAさんに対し、同事務所社長(以下、Y社長)は罰として坊主にすることと10万円を要求。以降、パワハラ・暴行に該当しうる行為は日常化。半日正座でパソコン業務をさせられたり、顔を殴られて口の中が切れ、出血したという。
15年12月20日の忘年会で、体質的に飲めないレモンサワーのピッチャーの一気飲みを強要されたほか、沸騰する鍋に顔を押し込められた。宴席後、Y社長から謝罪はなく「顔ほんとやばいから帰った方がいいよ」と告げられただけだった。
同12月21日早朝、救急外来で診察を受けたところ、顔面第2度熱傷、皮膚感染症、湿疹と診断されたが、2~3週間で仕事復帰。月8万円という薄給が続き、17年1月に退職した。
弁護士の説明が終わると、Aさんは「やっと公の場で話せるときが来たと思っています」と口を開いた。数々のパワハラについて「怖くて逆らえなかった」と心境を吐露。「Y社長を例えるならピエロ。表ではいい顔をする」と伝えた。
現在、日常生活において支障はないが「今でも鏡を見たり、忘年会シーズンになると(当時の記憶が)フラッシュバックする」とトラウマが残っていることも告白。会見終了後、刑事告訴をする予定で「社長には(罪を)認めていただきたいと思う」と話した。