“怪演”シャブ山シャブ子 テレ朝釈明…「相棒」の薬物依存症女性 ネット騒然
テレビ朝日の定例社長会見が27日、都内の同局で行われた。ドラマ「相棒 season17」(水曜、後9・00)で、薬物依存症患者の描写について、編成担当の亀山慶二専務が「差別や偏見を助長する意図はなかった」と回答した。劇中に登場する薬物依存症の女性が、取り調べ中に「シャブ山シャブ子」と名乗ったり、錯乱するような描写があり、「偏見を助長するのでは」という声が上がっていた。
問題視されたのは、今月7日に放送された「相棒 season17」第4話。違法カジノや違法薬物を題材にした回だった。ベンチに座っていた刑事を、フラフラと近づいてきた女性(江藤あや)がハンマーで撲殺。取り調べでは、「シャブ山シャブ子」と名乗ったり、奇声を発して錯乱する描写もあった。
江藤の怪演が放送直後から「リアルすぎる」「怖い」と話題になり、「シャブ山シャブ子」が一時ネット上でトレンドワードに浮上した。一方で、この表現が薬物依存症患者への偏見を助長するのではないかという意見もあり、国会の衆議院厚生労働委員会でも取り上げられるなどした。
「依存症問題の正しい報道を求めるネットワーク」という団体は、15日付で、テレビ朝日の角南源五社長宛てに要望書を送付。描写が不適切であったことへの謝罪や、薬物依存症が回復可能な病気であることなどを番組ホームページに掲載するよう求めている。亀山専務は「現在、話し合いを進めるようにと考えておりまして」と、同団体に説明する用意があることを示唆した。
亀山専務は「暴力団の組織犯罪捜査の難しさを描こうとしたもの」と説明。その上で「差別や偏見を助長する意図はまったくありませんでした」と釈明した。薬物依存症の表現については「真摯(しんし)に受け止めて、番組作りに生かしていくということでございます」と神妙に語った。