ピン子、角野、橋田氏ら渡鬼ファミリー悲しみ「本当の母親のよう」 石井氏「幸楽の支え」

 女優の赤木春恵さん=本名・小田章子(あやこ)=が29日、心不全のため都内の病院で亡くなった。94歳。赤木さんはTBS系「3年B組金八先生」の校長役や、同局「渡る世間は鬼ばかり」の姑役などを演じ、数々のホームドラマで活躍した。この突然の訃報に五月役の泉ピン子(71)、五月の夫・勇役の角野卓造(70)、脚本の橋田壽賀子氏(93)ら「渡鬼」ファミリーがTBSを通じ、追悼のコメントを寄せた。60年来の付き合いだった石井ふく子プロデューサー(92)は「幸楽の支え」を失った喪失感をつづった。

 NHKの大河ドラマ「おんな太閤記」から「渡鬼」まで多数の作品で共演したピン子は、「ピンキー」「ママ」と呼び合う間柄。TBSを通じ「『おんな太閤記』から『渡る世間は鬼ばかり』まですべてご一緒でした。最近はお姿を見かけることが少なくなり、どうされているかと心配しておりました。今までのドラマの再放送を見て、元気な赤木ママの姿と当時のことを思い起こしています。作品が思い出です。心からお悔やみ申し上げます。」と最愛の「ママ」との思い出をつづった。

 赤木さんの息子役の角野も「本当の母親のような存在でした。テレビはもちろん、舞台の時にはいつも赤木ママの楽屋でご飯を食べさせてもらったり、優しく気にかけていただきました。出来の悪い息子で申し訳ありませんでした。心よりご冥福をお祈りいたします。」とコメント。

 石井プロデューサーは「私がTBSに入って以来、60年のおつきあいになります。当時赤木さんは映画のお仕事が多く、森光子さんの紹介で日曜劇場に出演していただいたのが最初です。『渡る世間は鬼ばかり』では1990年10月のスタートから2013年6月放送の単発シリーズまで計500回以上出演していただきました。最初のころは泉ピン子さんや角野卓造さんがまだ若く、赤木さんはまさに『幸楽の支え』でした。私は赤木さんのことを『赤木ママ』と呼び、公私にわたり親しくさせていただきましたが、自分の母親のことも『ママ』なんて言ったことはありません。『ママお願い』って何でも引き受けていただいた赤木さんともう仕事ができないと思うととても寂しいです。」と「幸楽の支え」を失った悲しみを吐露した。

 橋田氏も「赤木さんは私より一歳年上で、彼女が元気でいらっしゃる間は私も元気でいられると思っていました。50年近く前熱海に住まいを移した頃、偶然にも赤木さんが近くにお家を建てられて、それから親しく仕事をさせていただきました。赤木さんの優しい人柄に接したおかげで、彼女の役を深く掘り下げて書くことができました。優しさと厳しさを同時に表現できる稀有な女優さんです。もうこんな俳優さんは出てこないと思います。とても残念です。謹んでご冥福をお祈り申し上げます。」と公私にわたり50年の付き合いのあった赤木さんの優しい人柄があったからこそ、「渡鬼」のストーリーを深く掘り下げることができたと明かし、哀悼の思いを伝えた。

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