三田佳子次男・祐也被告 初公判で裁判長から叱責…「やめたいのにやってしまった」

 9月に東京都渋谷区の自宅で覚醒剤を使用したとして、覚醒剤取締法違反(使用)の罪に問われた、女優・三田佳子(77)の次男、高橋祐也被告(38)の初公判(開発礼子裁判長)が29日、東京地裁で開かれ、起訴内容を認めた。即日結審し、検察側は懲役2年6月の実刑を求めた。4度目の薬物逮捕に裁判長から厳しく叱責される場面もあった。判決公判は12月13日。

 過去に3度、薬物事犯で有罪となっている高橋被告は、17年10月ごろに、薬物の売人だった友人から覚醒剤を譲り受けたことをきっかけに、使用を再開。今年2月ごろからは2週間に1度、売人から購入するようになったという。

 法廷では、繰り返す過ちに、開発礼子裁判長から厳しく叱責される場面もあった。「そういう人間関係を解消して、覚醒剤を断ち切る決意をできなかったのか」と尋ねられ、高橋被告は「そのときは(決意が)足りなかった。今は思います」とうなだれた。

 さらに「なぜ医師に相談しなかったのか」と厳しく追及されると、「一度きりと思っていたが、あれ?やめたいのにやってしまった。最後まで相談できないまま…」とか細い声で語った。

 高橋被告は黒のジャケットに白のシャツ、グレーのズボンをはいていた。裁判中は目を落ち着きなくきょろきょろさせ、まばたきも多かった。

 薬物使用を再開した理由について、妻と別居したことで、「1人になって寂しくなると、覚醒剤を使ってしまう」とあげた。弁護人による父の供述では「2、3年前からよく分からない人を自宅に呼んでパーティーを開くようになり、子供によくないとして妻が家を出た」と明かされた。

 高橋被告は「自分でもまさか、またこういう犯罪を犯して罪を償わなければいけなくなることを想定していなかった。自分の愚かさと心の弱さを非常に情けなく思います」と語った。今後については以前も入所した沖縄のリハビリ施設に入寮する計画を明かした上で、「依存症の怖さを身にしみて感じた。自分の犯した罪を償い、いつか依存症をカバーできる人間になりたい。このたびは申し訳ありませんでした」と謝罪した。

 起訴状によれば、高橋被告は9月9日ごろ、東京都渋谷区の自宅で覚醒剤を使用したとしている。9月に警視庁に逮捕され、10月に起訴された。覚醒剤を巡り逮捕されるのは、今回を含めて4回目。2008年には懲役1年6月の実刑判決を受けた。

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