三田佳子次男・祐也被告、裁判長から怒られた「覚醒剤断ち切る決意できなかったのか」
9月に東京都渋谷区の自宅で覚醒剤を使用したとして、覚せい剤取締法違反(使用)の罪に問われた、女優・三田佳子(76)の次男、高橋祐也被告(38)の初公判が29日、東京地裁で開かれ、起訴内容を認めた。薬物事犯に問われるのは4度目とあって、法廷では裁判長から「覚醒剤を断ち切る決意をできなかったのか」と叱責される場面も。高橋被告は「ものすごくみじめ」と反省した態度を示しながらも、「祖母の貯金」を当てにする供述も飛び出し、甘え体質をのぞかせた。即日結審し、検察側は懲役2年6月を求刑した。判決公判は12月13日。
高橋被告は、ぽっちゃり体型を黒のジャケットに包み、法廷に姿を見せた。公判中、目は落ち着きがなくまばたきが多かった。
論告では、17年10月ごろに、薬物の売人だった友人から「仕事で損を出したおわびに」と、覚醒剤を譲り受けたことをきっかけに、使用を再開したと明らかになった。2010年に結婚した妻とは2、3年前に別居。高橋被告は「寂しがり屋で一人だと不安になって、覚醒剤を買ってしまう」とあっさり認めた。
逮捕された9月9日は、渋谷区内の飲食店で、高橋被告が好意を持っていた知人女性が友人と関係していると思い込み激高。女性の携帯電話を折るなどしたため、通報され、その後、尿検査によって覚醒剤反応が出たという。
繰り返す過ちに、開発礼子裁判長から厳しく叱責された。「そういう人間関係を解消して、覚醒剤を断ち切る決意をできなかったのか」と指摘され、高橋被告は「そのときは(決意が)足りなかった。今は思います」とガックリ。さらに「薬物に手を出した際になぜ医師に相談しなかったのか」とさらに厳しい調子で追及されると、「一度きりと思っていたが、あれ?やめたいと思っているのに、やってしまった」とか細い声で語った。
高橋被告は「自分の愚かさと心の弱さを非常に情けなく、ものすごくみじめ」と悔いた。「自分の犯した罪を償い、いつか依存症をカバーできる人間になりたい」と謝罪した。今後については、親元を離れ、以前も入所した沖縄のリハビリ施設に入寮する計画を明かした。
その一方で、施設に入所する資金を問われると「祖母の残してくれた貯金がある」「父も回復のためならと一応言ってくれているので」と無心する魂胆もこぼすなど、甘えから逃れられない思考回路を露呈。反省の言葉が空転していた。