ビートたけし バイク事故の影響で現在も死の錯覚 「目が覚めて怖い時ある」
タレントのビートたけし(71)が1日放送のTBS系トーク番組「サワコの朝」に出演し、1994年にバイク事故で頭部に重傷を負ったことについて現在も「朝、目が覚めて怖い時がある」と恐怖を覚えることを明かした。
たけしは原付バイクで自損事故を起こし、病院に搬送された。一命を取り留め、翌年仕事復帰したが「悩んだのは、ここに自分がいるけれど、これが現実なのかどうかということ」と、生きているかどうか分からなくなる時があると話した。「病院に入ったのは間違いなくて。危篤状態だったから。今もここに阿川さんといるけど、本当はもう死んでいて、違う世界で阿川さんと対談しているのかと勘違いする」と、現実世界と死後の世界が混同するような錯覚があるとした。
MCの阿川佐和子が「今でもですか?」と聞き直すと、たけしは「うん。朝、目が覚めても怖い時がある。(天井の明かりではなく)病院のライトが見えてたらどうしようかと。なんだ、ずっと俺は病院にいたんだという…」と例を挙げた。
阿川に「不安ですか。恐怖?」と尋ねられると、そこはたけしらしく「不安でもないけどね。これもまた楽しいやって」と表現した。
タレント、映画監督、小説家のほか、画家としても作品を描いているが、絵画に目覚めたきっかけもバイク事故だったという。
病院で脳の検査をして右脳損傷と診断され、頭部手術の承諾書にサインを求められた時に「(手術の結果)自分の感覚が狂ったら嫌」と、当初は拒絶した。しかし回復後に「右脳が損傷していたら左脳がカバーしたりして、ちょっと違う(才能が開花する)んじゃないか」と試しに絵を描いてみたという。「ずっとゴッホの絵が好きだったから、どうだろう(ゴッホのように描けるかも)と思って描いてみたらまるっきりダメ。ゴッホはそういう問題じゃない」と苦笑いした。