１１月２９日に心不全のため亡くなった女優、赤木春恵さん（享年９４）の葬儀・告別式が４日、東京・杉並区の築地本願寺和田堀廟所で営まれ、俳優の里見浩太朗（８２）ら５００人が参列した。赤木さんが厳しい姑（しゅうとめ）を演じ、当たり役となったドラマ「渡る世間は鬼ばかり」に出演する角野卓造（７０）ら“渡鬼ファミリー”たちは涙ながらに追悼。出棺時には、もう１つの代表作「３年Ｂ組金八先生」の主題歌だった海援隊の「贈る言葉」とともに送り出された。

　東映ニューフェイス時代から６０年来の付き合いとなる里見が弔辞を読んだ。新人俳優として出会い「右も左もわからなかった私に『誰にでもあいさつするのよ』『時代劇の役者を目指すなら立ち回りを早く覚えなさいね』…いろいろなことを教えてくださいました」と“いろは”を学んだ恩人だった。

　赤木さんの夫で東映のプロデューサーだった栄井賢さんは、里見の名付け親でもある。「（栄井さんが）『東映はな、里見八犬伝でもうかったから縁起がいいぞ』と名を付けてくださいました。栄井さんと赤木さん、つまりお父さんとお母さんがあって、里見浩太朗が生まれた」。まさに“芸能界の両親”とも呼べる存在だった。

　里見の代表作「水戸黄門」に８４歳の赤木さんが出演したことがある。おんぶをするシーンがあり「赤木さんは『重いからいいわよ』と遠慮をされていました。本当に重かったです。放映を見たらカットされていました」と懐かしんだ。