不気味の壁を超えたか 米SF映画「アリータ」のリアリティー…来年2月公開

 「タイタニック」、「アバター」などで知られるジェームズ・キャメロン監督がプロデュースを手がけた米SF映画「アリータ:バトル・エンジェル」(2019年2月22日公開)の世界最速特別映像試写会&トークイベントが10日に都内で開催された。

 同作は、漫画家・木城ゆきと氏のコミック「銃夢(ガンム)」が原作。ドクターのイド(クリストフ・ヴァルツ)がスクラップ置き場で発見したサイボーグの少女アリータを復活させたことから始まる物語だ。記憶を失っていたアリータが戦いの中で、自身が300年前のテクノロジーで作られた存在だと気付き、世界の腐敗と立ち向かう。

 イベントでは約30分ほどの最新映像も上映されたが、驚かされたのはCGによる違和感、いわゆる“不気味の壁”を超えたと思われるクオリティーだ。最近ではハリウッド映画に限らず、CGのキャラクターと人間との“共演”は珍しくないが、アリータは顔は基本的には人間と同じ。実際には女優のローサ・サラザールが演じたものを2台のカメラを使って立体的にとらえ、データ化してCGにしているのだが、顔が近づくキスシーンですら自然だった。

 キャメロンがスタッフに「原作の3巻の31ページ目に載ってる!」と細かすぎる指示を出したほどにこだわったという、アリータが顔に塗装するシーンは出色の出来栄え。これも原作に合わせたという大きな目の目力も加わって、ぐっと引き込まれてしまう。劇中で登場する「モーターボール」という競技のシーンでは、サイボーグ同士が繰り広げる超高速バトルがフルCGで描かれており、むしろこちらの方が「CGっぽい」と安心できる不思議な感覚に陥った。

 この日のイベントには、ニュージーランドのVFX制作会社「WETAデジタル」でシークエンスVFXスーパーバイザーを務めるニック・エプスタン氏が出席。「『ロード・オブ・ザ・リング』のゴラム、『アバター』などはちょっと動物っぽかったが、アリータは非常に人間に近い。そこが難しかったですね」と明かした。

 キャメロンの脚本は、細かいアートワークやデザインの指定なども含めて600ページもあったそうで「もはや聖書のようでしたね」。サマーシーズンの公開予定がクリスマスになり、さらに翌年2月になってしまったほどの“天の声”の影響力の大きさに苦笑いだった。

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