約束が違う!松井大阪府知事、公明党との合意書怒りの公表…都構想住民投票めぐり

 大阪府の松井一郎府知事(54)が26日、大阪府庁で会見し、大阪都構想の2度目の住民投票実施に向けて公明党と交わしていた合意書を公表した。知事は「今任期中に住民投票を実施する」などと書かれた合意書を手に、「約束を反故にされた」と公明党に対し怒りをにじませ、「あらゆる可能性を否定しない」とあらためて辞職・出直し選に踏み切る可能性を示唆。公明党にプレッシャーをかけた。

 公表された合意書は昨年4月17日に取り交わされたもので、「(1)平成29年5月議会(大阪府議会、大阪市会)において、特別区設置協議会議案をそれぞれ可決すること。(2)上記設置の特別区設置協議会において、慎重かつ丁寧な議論を尽くすことを前提に、今任期中で住民投票を実現すること」と記載されている。公明党大阪府本部幹事長の林啓二氏、大阪維新の会幹事長の今井豊氏の署名がある。

 松井知事は、「協議会委員は現職議員。僕はこの合意内容は、議会の任期中の実現としか読めないと思う。知事・市長の任期と言うのは成り立たない」と主張。大阪府議・市議の任期は来年4月で、松井氏と吉村氏の任期はそれぞれ来年11月と12月。公明党大阪府本部代表の佐藤茂樹衆院議員は25日の会見で、「知事、市長の任期内に住民投票をすることも視野に入れて協議してきた」と話していたが、松井知事はこれを真っ向から否定した。

 24日に会見した際は、26日までの公明党の再回答を求めていたが、現在のところ返答はないという。解決策について「ここで一緒に出て会見してもらえれば、みなさん(報道陣)が証人ですから」と、オープンな場で意思疎通を図りたい考えもみせた。

 ただし、辞職・出直し選についても「あらゆる可能性を否定しない。予算編成もあるし、トップとして職務を遂行し、適時、適切に判断したい」と、年明け以降にも踏み切る可能性を残した。

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