團十郎襲名の海老蔵 一番伝えたいのは「父と麻央」

 歌舞伎俳優の市川海老蔵(41)が、2020年5月に東京・歌舞伎座で行われる「五月大歌舞伎」の初日をもって、十三代目市川團十郎白猿を襲名することが14日、発表された。長男の堀越勸玄くん(5)も同日をもって八代目市川新之助を襲名し、初舞台を踏む。

 海老蔵は、襲名を一番伝えたい人物として「父と麻央」と回答。13年2月に死去した父の故・十二代目市川團十郎さんと、16年6月に死去した妻の小林麻央さんの名を挙げた。その上で「伝えたい人物に直に伝えられないというのは、非常に大きなこと」とし、「お墓参りや、今日も出かける前に、妻に手を合わせて『そういう日が来たよ』と…、そういうことを伝えました」と話すと、一瞬声を詰まらせ、感極まった表情を浮かべた。

 また、目指す團十郎像を問われると、「とっても大きな名前ですから、おのおの、日本の伝統文化に携わる方や、日本人としても團十郎イメージが多くあるので、そのイメージも大事だと思って、古典に向き合っていく」と宣言。加えて「時代に大きく影響を与えた、役者としてのみならず、人として影響を与えた人物も出ている。そういう所も意識して、古典と向き合って、新元号になるときに襲名させていただくわけですので、時代に生きていることを多くの方に感じていただけるような團十郎像を描いていきたい」と力強く語った。

 襲名のタイミングは、ちょうど改元の時期に重なる。半分を海老蔵として過ごした平成を「いろんなことがあって大変だったと思います」と苦笑いしながら振り返りつつ、「平成の時代に『海老蔵』であったことが非常に大きな影響を及ぼす、新元号の團十郎になれればいいと思う」と意気込みを口にした。

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