「世界中に嵐を」すべての目標かなえた…芸能担当部長が語る嵐
人気グループ・嵐が、2020年12月31日をもって活動休止することが27日、分かった。5人は同日夜、都内のジャニーズ事務所で会見。休止に至った経緯として、リーダーの大野智(38)が芸能活動を休止することで、グループとしても活動を止めることとなったと説明した。1999年にCDデビューし、今年は20周年。節目の年に明らかになったメンバーの電撃決断に、列島に衝撃が走った。
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やり尽くしたのだろうか-。活動休止の一報を聞き、まず、そう思った。
20年前、5人の少年たちと一緒にハワイに行った。嵐のデビュー発表会見だ。洋上のクルーザーで行われた会見は豪華だったが、5人は事態が把握できず戸惑いの表情を浮かべた。それでも、キラキラした瞳で「世界中に嵐を巻き起こしたい」と夢を語った。
嵐のダンスと歌唱をリードしてきた大野智だが「デビューしてしばらくは嵐を辞めたかった」と話してくれたことがある。グループの方向性が分からず、メンバーは「どうすれば自分たちが生き残れるか」を朝まで話し合った。大野を含め、その時に全員が覚悟を決めたのだという。
やがて嵐がスターになっても、大野は変わらなかった。繊細で、優しくて、正直な人。思い出されるのは「記事、読んだよ。ありがとう」の声。弱音を吐くこともあったが、趣味の釣りとアートの話になると声が弾んだ。
グループとしては「ドーム公演」「国立競技場」「ハワイ公演」「社会貢献」と挙げてきたすべての夢をかなえた。多くの人に影響を与え、嵐を巻き起こした。大野が「違う景色が見たい」と思ったのは自然な流れかもしれない。彼の決断を尊重し受け止めた4人。絆は20年前と変わらない。
「解散」ではない。グループとしての次の夢を見つけた時、嵐が帰ってくることを期待したい。
(芸能担当部長・原田智恵)