ビートルズの新作映画製作が決定 ピーター・ジャクソン監督「究極の映像体験に」
英国出身の世界的ロックバンド「ザ・ビートルズ」の新作映画(題未定)が、アップル・コア社とウィングナット・フィルムズ社によって製作されることが、伝説のルーフトップ・セッションから50周年を迎えた30日深夜、発表された。監督は「ロード・オブ・ザ・リング」で知られるピーター・ジャクソン氏が務める。
映画はアルバム「レット・イット・ビー」のセッション時、1969年1月2日から31日の間にスタジオで撮影された約55時間におよぶ未公開映像を基にしたものになる。
もともとはテレビの特別番組のために撮影されたが、英ロンドンのサヴィル・ロウにあるアップルの事務所屋上で行われた伝説的なルーフトップ・セッションでクライマックスを迎える、当初の予定とは全く違う性質のものになった。
ジャクソン監督は「55時間分の未公開映像と140時間分の音源を使わせてもらうことができるので、ファンが長らく夢見ていた“現場に立ち会う”という究極の映像体験にしようと思っています。タイムマシンに乗って1969年に戻り、スタジオで4人が素晴らしい音楽を作っている現場に居合わせるような体験です」とやる気まんまん。
当時のバンド状況はかんばしくなかったとされているが、ジャクソン監督は「実際はその神話とはずいぶん違うものだと知って安心しました。マイケル=リンゼイ・ホッグ(映画『レット・イット・ビー』の監督)が解散の18カ月前に撮影した映像、そして音源を全て確認したところ、素晴らしい宝の山だということに気づいたのです」と否定的だ。
「もちろん感情的な行き違いの瞬間も捉えられていますが、長年言われてきたような仲たがいの記録ではありません。ジョン、ポール、ジョージ、リンゴの4人が、今では名曲となっている楽曲を一から共に作り上げていく様子は、素晴らしいだけでなく、面白く、気分が高揚する作業で、また、彼らの仲の良さには本当に驚かされます」と、映像の内容について明かした。
映画にはポール、リンゴ、ジョンの妻のヨーコ・オノ、ジョージの妻のオリヴィア・ハリソンが完全に協力する。また、映画の公開に合わせて、オリジナルの映画「レット・イット・ビー」もレストアされて公開される予定になっている。