「植村直己物語」「敦煌」で主演 西田敏行が佐藤純彌監督悼む「学者肌の監督」
映画「新幹線大爆破」「人間の証明」「男たちの大和/YAMATO」などのメガホンを取った映画監督の佐藤純彌さんが、9日午後11時、多臓器不全による衰弱のため都内の自宅で死去していたことが17日、分かった。86歳。東映が発表した。
佐藤さんによる作品「植村直己物語」(86年)、「敦煌」(88年)に主演した俳優の西田敏行(71)らが、所属事務所を通じて佐藤監督を悼んだ。
西田は「植村直己物語」の思い出として「北極での撮影ではスタッフ・キャストの命を守り、作品の成功に導かねばという、pressure(プレッシャー)と戦いながら、皆の前では穏やかな表情で監督指揮をしていた」と述懐。「人望があり、学者肌の映画監督でした」と佐藤さんの人柄を振り返り、「ご冥福を祈ります」と結んだ。
「敦煌」に出演した佐藤浩市は、父・三國連太郎さんも「陸軍残虐物語」「未完の対局」で主演。「およそ30年前、当時の中国での半年間に及ぶ苦しい撮影の中、佐藤純彌監督には色々教えていただきました。親子でお世話になりました」と振り返った。
「廓育ち」「敦煌」などに出演の三田佳子は「監督の旭日小綬章の受章を、時間が尽きるまで喜び、祝った日が昨日の事の様です。一つの時代が終わったような寂しさを感じます」と惜しんだ。
「桜田門外ノ変」に主演した大沢たかおは「仕事への姿勢、情熱そして優しさ、俳優として一生の指針となるような沢山の経験をさせて頂きました。これからもその教えに恥じないよう精一杯頑張りますと、報告したい」とコメントした。