少年隊の東山紀之（５２）が、フジテレビ開局６０周年ドラマ「砂の器」（３月２８日、後７・５７）に主演することが２３日、分かった。松本清張原作で、これまで何度も映像化されてきた不朽の名作。今作では舞台を２０１８年の東京・渋谷にアレンジし、東山はベテラン刑事・今西栄太郎を演じる。今西が追い詰める天才作曲家・和賀英良にはＳｅｘｙ　Ｚｏｎｅの中島健人（２４）、和賀の父・本浦千代吉に柄本明（７０）と豪華配役で現代版「砂の器」に挑む。

　松本清張生誕１１０年にあたる今年、何度も映像化されてきた名作が、新たな形でよみがえる。

　東山はこれまで「夜光の階段」「証言」「花実のない森」などの松本清張作品に出演してきた。しかし、やはり「砂の器」は特別なようで「名作中の名作ですから、自分もこういう役が巡ってくる年になったのだなと感慨深いです」と胸を高鳴らせている。

　今西役は、かつて故丹波哲郎さんや渡辺謙（５９）らが演じてきたが「今作はちょっとアプローチが違う」と見ている。不遇な環境で育った過去があり、捜査を通じて、和賀に自らを重ね感情移入していくという設定。「人生を考えさせられる、清張先生ならではの“人間”を表現したいと思っています」と意気込む。

　一方で、今西と対峙（たいじ）する和賀役の中島は、事務所の大先輩と初共演に「東山さんからは“勝負しようぜ”と言われましたので、そこは僕も全力で挑ませていただきたいと思います」と、気後れすることなく挑む構え。かつては中居正広（４６）も演じた複雑な過去を持つ難役で、柄本演じる生き別れた父・千代吉との絆をどう演じるのかも注目される。

　「砂の器」は１９７４年に映画版が大ヒットしたのをはじめ、その後、５度もドラマ化されてきた。原作が発表されたのは６０年だが、今回は舞台を２０１８年に変更。これまでとは違い、序盤で殺人犯が和賀であることを明かしてから、今西の捜査や、今西目線での和賀の日常を並行して描くスタイルを取っている。犯人を明確にすることで、謎解きよりも、今西と和賀の息詰まる心理戦の攻防をスリルたっぷりにあぶり出していく。