テレ東、視聴率で苦戦 「テレビ東京らしさ」の先を目指し組織改革
テレビ東京の社長会見が28日、都内の同局で行われた。小孫茂社長は視聴率が前年同期比で低下していることを受け、従前から自身でも発言してきた「テレビ東京らしさ」にとらわれない番組作りができるよう、組織改編を行ったと語った。
テレビ東京は18年度1月クール(18年12月31日~今年2月24日)の期間で、ゴールデンタイムで前年同期比0・3%マイナスの6・1%、プライムタイムでも0・3%マイナスの5・6%と苦しんでいる。なお、全日帯は増減なしの2・8%だった。
テレビ東京は「緊急SOS!池の水全部抜く大作戦」や、「YOUは何しに日本へ?」など独自性・独創性の高い番組を多く生み出してきているように見える。しかし、小孫社長は視聴率低下の一因を、「視聴者の皆さんの見たい番組が短期間に変わる『あしの早さ』を感じておりまして。テレビ東京は若干、微妙に遅れているといいますか、つかむのが多少タイミング的に遅れていると思います」とし、後手に回っていると分析した。
対応するために、番組をつくる制作局の社員が参加する、“制作・企画開発チーム”というべきグループを番組編成を担当する編成局に開設。「積極的に新しい企画にチャレンジしていくという組織づくり」(小孫社長)を2月に断行した。「制作と編成、両方兼ね備えつつ、ひょっとしたらそこから相当飛び出たものが出てくるかなと。私の立場からは『ハラハラドキドキ』かもしれませんが、とんでもないものが出てくるかもしれない」と期待した。
独自路線が売りのテレ東だが、小孫社長は「『テレビ東京らしさ』と言い過ぎたかもしれませんが、テレビ東京らしさという言葉もある種、枠を決めてしまう言葉だったのかなと反省しております」と、振り返った。その上で、「最近のテレビ東京らしくない番組、なんていうことを言うと皆さん考え始めるので、そこからまた新しいテレ東が出てくるかもしれない」と、近年のテレビ東京にもなかった企画、番組の誕生を願っていた。