窪田正孝 来年前期NHK朝ドラで「六甲おろし」作曲者・古関裕而氏になる
2020年度前期のNHKの連続テレビ小説の制作発表会見が28日、都内の同局で行われ、主人公のモデルが、プロ野球・阪神タイガースの球団歌で、「六甲おろし」の通称で愛される「阪神タイガースの歌」を作曲した作曲家・古関裕而(こせき・ゆうじ)氏であることが発表された。タイトルは「エール」。古関氏をモデルとした主人公・古山裕一は俳優・窪田正孝(30)が演じる。会見に出席した窪田は「愛されている応援歌なんだなというのを感じました」と「六甲おろし」への思いを語った。
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甲子園を熱狂させる「六甲おろし」が、日本中の朝に鳴り響く!?日本を代表する作曲家であり、阪神ファンにとって“神様”とも言える古関氏が、朝ドラの主人公になる。
古関氏は福島県福島市の出身で、80年の生涯で5000曲以上を作曲した。1936年には、26歳の若さで「六甲おろし」の通称で知られる「大阪タイガースの歌(現・阪神タイガースの歌)」を発表。48年には全国高等学校野球選手権大会の大会歌「栄冠は君に輝く」を発表するなど、甲子園球場にも極めて縁が深い。
主演の窪田は「六甲おろし」について「甲子園というすごい聖地で、みんながパコパコ(メガホンを)たたきながら、子供から大人まで『はーんしーんタイガース!』って叫んでる」と印象を口に。「業界の中にも阪神ファンがたくさんいらっしゃって、熱唱している姿を見て、やっぱり愛されている応援歌なんだなというのを改めて感じました」と、虎党の思いはしっかり心に刻んでいる。
古関氏はあくまでモデルだが、制作統括の土屋勝裕氏によると、楽曲は作中に実名で登場する。さらに土屋氏は「曲を通して『あのころはああだったな…』と思い出してもらう作品にする」と説明。六甲おろしをバックに、1985年の阪神日本一の映像が放送される-という可能性もある。
放送開始は20年春の予定。朝ドラ出演は、10年「ゲゲゲの女房」、14年「花子とアン」に続いて3度目となる窪田は「数々のヒロインを演じた女優さんから『朝ドラは大変だよ』とたくさん聞いてます」とニッコリ。古関氏のモデル起用は、2011年の東日本大震災から約10年を迎えるタイミングという理由もあるだけに、「みんなで一丸となって、全国の皆さまに、そして福島の皆さまに“エール”を届けられたら」と宣言した。