吉田拓郎、喉にがん発覚を公表 辛い治療に涙「苦痛の日々が続きました」14年に手術

 シンガーソングライターの吉田拓郎が24日に放送されたニッポン放送「吉田拓郎ラジオでナイト」で、14年にのどにがんが見つかったことを公表。当時の辛かった闘病を振り返り、時に涙声で「人間は心と体が健康でないと幸せな気分、力が湧いてこない」と痛切に訴えた。現在は体調も回復しているとしている。

 拓郎はラジオ後半で「メディア、マスコミに話さなかったことをお話しておきます」と切り出すと、03年に肺がんのため、肺の3分の1を切除したことを振り返った。手術後は大幅に肺活量も落ちたが、トレーナーや多くの人の支え、そして自身もトレーニングなどを積極的に行い、カンバックを果たしたと感謝の言葉を交えて述懐。

 拓郎自身はこの肺がんを経て多くの取材依頼があったこと、そして病に関する取材は全て断っていたが、「実は肺がんだけではなく、07年あたりから、原因不明な不調な日がある日常が始まった」と肺がん手術から4年後の不調を吐露。09年には全国ツアーも途中で断念せざるを得なくなるほどで「体調が非常に不安定でした」。

 その後も原因不明の体調不良は続いたが、「11年頃から改善されるようになって、12年にはステージに立てるようになり、元気にこのまま、関東近郊に限るけどコンサート活動できると思った」と復調の気配を感じ取っていた。だが「14年に、初めてお話しますが、声帯に白板症という異物が発見されたんです」と振り返った。

 白板症が出来ると、声の質も変わってしまうことから、医師に手術を勧められて白板症を除去。その後の病理検査で「調べたところ、がんがまた発見されてダブルパンチ受けてしまいました」と当時のショックを語った。

 その後の治療は放射線治療だったが、治療後の後遺症がかなり苦しかったようで「言葉で表現は非常に苦しい。日常では食べ物が喉を通らない、声は出ない、喉は非常に痛い。半年間苦痛の日々が続きました」。そんな中の支えが妻の森下愛子ら家族だった。「かみさんが黙々と日常生活送りながら、静かに僕を支えてくれて。必ず完治する、一日一日だからと励ましてくれました。痛みで何も喉を通らない中、おかゆを作ってくれ…」と涙で声を詰まらせた。

 その後、16年にステージ復帰。現在は「あっちが痛い、こっちが痛いと病院通いはしてますが、次なるコンサートへ向けて元気に過ごしている」と復調していると報告。そんな苦しい体験を経た今言えることとして「人間は心と体が健康でないと幸せな気分、力が湧いてこない」「そして愛のある日常でなければ人生は味気ない。これがすごく大事な事と痛感しました」と呼び掛けていた。

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