松尾スズキ 母親介護のつらさを舞台に…「闇に自分を放り込んでいるような」

 取材会を行った松尾スズキ=大阪・読売テレビ新社屋
 取材会を行った松尾スズキ=大阪・読売テレビ新社屋
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 演出家で俳優の松尾スズキ(56)が27日、大阪市内で、自身と安藤玉恵(42)との二人芝居「命、ギガ長す」(7月4日初日、東京・ザ・スズナリほか)の取材会を行った。劇団「大人計画」を主宰する松尾が、楽しく芝居するという原点回帰のため、初めて個人プロデュースする「東京成人演劇部」の公演として上演する。

 2人が出演していた13年放送のNHK連続テレビ小説「あまちゃん」の打ち上げ時には構想にあったという作品は、アルコール依存症のニート息子(松尾)と認知症の母親(安藤)を描く。実生活で母親の介護に直面しているという松尾は「いいようのない感情を作家として一度表現したい。思いを伝えようとしても反応が返ってこない介護は、闇に自分を放り込んでいるように思う瞬間がある」といい、タイトル「命、ギガ長す」はあえてユーモアを入れたとした。

 今回はスクリーン映像などもなく、「全部パントマイムでやろうと」とシンプルな作りを目指す。NHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」に落語家・橘家円喬役で出演中の松尾は「落語は1人でBGMもなしにあれだけのことをやってのける。1つの扇子と手ぬぐいで表現するのはかっこいい」と、役作りからこれまでで多くのものを得たとした。

 なお、大阪公演は7月27日から29日まで読売テレビ新社屋内の10hallで上演される。

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