保育士刺殺事件、侵入は「焼き破り」の空き巣手口か…小川泰平氏が現場を取材

犯人が侵入したベランダの窓がブルーシートで覆われた事件現場(写真奥)=都内(撮影・小川泰平)
規制線が張られた事件現場付近の住宅地=都内(撮影・小川泰平)
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 東京都杉並区のアパートで住人の保育士照井津久美さん(32)が刺殺された事件を受け、元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は27日、現場を取材後、デイリースポーツに対し、「侵入方法はベランダ側の窓を『焼き破り』で侵入する空き巣の手口である。犯人が室内に潜んで照井さんの入室を待っていた可能性も否定できないが、帰宅した被害者と出くわした可能性が高い」と指摘した。

 警視庁荻窪署捜査本部によると、26日正午ごろ、照井さんは自室内で何者かに刃物で背中を刺されていた。近くの住民は言い争う声や、大きな音が聞こえたと証言。事件後には、2階の部屋から黒い服の男が逃げる様子が住民に目撃されており、警視庁は逃走中の男の行方を追っている。

 小川氏は「西武新宿線の下井草駅、JRと地下鉄丸ノ内線の荻窪駅に近い住宅地。駅が複数利用できる住宅街であり、泥棒が好むエリアでもある。被害者宅は2階建ての集合住宅の2階で道路からベランダ側が見えにくい部屋である」と現場の環境を説明。「被害者は外出時のコートを着たままだったことから、帰宅直後に刺された可能性が強い」と指摘した。

 犯人の侵入方法について、小川氏は「ベランダの窓ガラスのクレセント錠部を『焼き破り』の方法で侵入している。これは空き巣犯の手口で間違いない。また凶器も室内にあったものであることを考えると、たまたま帰宅した被害者と出くわし、騒がれたので刺して逃げた可能性が高い」と推測した。

 小川氏は「空き巣は『侵入5分、物色5分』と言われ、部屋に入ったらすぐに物色する。その最中に被害者が帰って来たのであろう。1Kの部屋なので、逃げるに逃げることができなかったのではないか」と推測した。

 捜査本部によると、照井さんにストーカーや人間関係でのトラブルは現時点で見当たらないという。小川氏は「空き巣の手口として『焼き破り』は日本人だけではなく最近は外国人の空き巣犯も少なくはない。現場の足跡の向き等から、犯人は犯行後、玄関から逃走しており、現場周辺で血痕も採取されていることから犯人も負傷していると思われます。」と犯行当時の様子を分析した。

 小川氏は「今後の捜査として、現場の遺留足跡と他の同種空き巣手口の分析を行い、本件も含めて防犯カメラの解析、遺留されている血痕のDNA鑑定等から容疑者の割り出しを進めていくことになるでしょう」とした。

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