新元号、午前11時半ごろ菅官房長官が発表
政府は4月1日、「平成」に代わる新元号を決定する。有識者懇談会や全閣僚会議などを経て、菅義偉官房長官が午前11時半ごろに発表。続いて安倍晋三首相が正午ごろに記者会見し、談話を公表する。これまで元号の出典は中国古典から選ぶのが慣例だったが、今回は日本古典を引用した案を採用するかどうかも焦点の一つ。さまざまな予想案が出る中、日本中が注目する発表の時が迫っている。
菅氏は31日のラジオ番組で「新しい時代にふさわしい元号を選びたい。広く国民に受け入れられ、日本人の生活の中に深く根差していくことを期待する」と述べた。
政府は4月1日午前9時半から、元号に関する有識者懇談会を官邸で開き、新元号の原案への意見を求める。ノーベル医学生理学賞受賞者の山中伸弥京大教授や直木賞作家の林真理子氏らが出席を予定している。
政府の事前準備では、「高い識見を有する」複数の専門家に候補名の考案を委嘱。(1)国民の理想としてふさわしい良い意味を持つ(2)漢字2字(3)書きやすい(4)読みやすい(5)これまでに元号または贈り名(追号)として使われていない(6)俗用されていない-ことに留意し、数個の原案を選定した。
有識者懇談会に続いて菅氏は衆院議長公邸を訪れ、衆院の大島理森、参院の伊達忠一両議長らの意見聴取を実施。全閣僚会議で協議した上で、臨時閣議で新元号を決定する流れだ。
菅氏は1989年1月の「平成」決定時を踏襲し、墨書を掲げて新元号を発表。首相は会見で、新元号に込められた意義や国民へのメッセージを説明する。
「大化」から「平成」まで計247の元号のうち、確認できる出典は全て中国古典だ。前回、最終候補に残った3案はいずれも中国古典が出典だった。政府は今回、専門家を「国文学、漢文学、日本史学、東洋史学」の分野から選び、3月14日付で正式に委嘱している。