ゴーン容疑者、超異例の逮捕に弘中弁護士激怒「あってはならない暴挙だ」
オマーンの販売代理店側に支出された日産の資金を流用し、約5億6300万円の損害を与えたとして、東京地検特捜部は4日、新たな会社法違反(特別背任)の疑いで、日産自動車前会長のカルロス・ゴーン容疑者(65)を再逮捕した。逮捕は4回目。ゴーン容疑者は最初の逮捕以降、108日間にわたって身柄拘束され、3月6日に保釈された。特捜部が手掛けた事件で、保釈後に再び逮捕されるのは異例。弁護人を務める弘中惇一郎弁護士は「非常に不適当だ」と話した。
ゴーン容疑者の弁護団が同日、都内で会見を実施。弘中弁護士は、ゴーン容疑者が今回の容疑について「きっぱり否定している」と話した。
今月初めに検察側に追起訴の可能性を問い合わせたが、明確な返答がなかったため、追起訴の可能性はあると認識していたとしたうえで「よもや逮捕とは。追起訴と身柄拘束とは同列ではない。あってはならない暴挙だ」と述べた。
その上で、ゴーン容疑者が11日に会見を開くとしていたことを挙げ、「一種の口封じではないのかと思っている」と発言。「結果的に会見が逮捕によって妨害される形になった。11日と発表したことで、逮捕が早くなったのではないかと考えている」と推察した。
ゴーン容疑者が11日に何を話そうとしていたのかを聞かれると「すでにゴーンさんの方では動画の形で、11日に言うことと同じかは分からないが、最低限言うべきステートメントは記録している。公開する予定がある」と明らかにした。
また、この日の逮捕については「早朝に逮捕状が執行されたと聞いている。一緒にいた奥さんのパスポートや携帯電話などを押収していった」と説明。「単なる嫌がらせではないと思うが、許されるのか、大いに疑問」と憤慨していた。