おぼんこぼん 大先輩ケーシー高峰さんを悼む「下ネタもやらしくない、粋な人」

 お色気を交えた医事漫談で長く人気を博した漫談家で俳優のケーシー高峰さんが8日、肺気腫のため福島県いわき市の病院で死去した。85歳だった。結成54年の漫才コンビ「おぼん・こぼん」が10日、都内でデイリースポーツの取材に応じ、演芸界で50年近くも接してきたケーシー高峰さんの「芸人魂」を明かした。

 おぼん(70)はケーシーさんが2005年に「舌がんでドクターストップだった時、×マークの付いたマスクを着け、僕がネタを舞台の上で代弁した」エピソードを披露。

 「『お母さんは赤ちゃんを産むのに5人目まで痛いけど、6人目からは痛くない。これ、医学用語で『無痛(6つ)分娩』なんて言うと、ケーシーさんは手でマルを作ってくれ、間違えた時はバッテンしたりしてお客さんを笑わせた。芸事が好きで体調が悪くてもあまり休まなかった」と回想した。

 昨年3月に沖縄県豊見城市で収録したNHKのラジオ番組「真打ち競演」が最後の共演となった。こぼん(70)は「拍手が鳴りやまず、沖縄の口笛がピーピー鳴る中で、ケーシーさんは『しゃべらせろ、このバカっ!』って。それがまた、ドカーンとウケた」、おぼんは「沖縄では歩くのもしんどそうでしたが、舞台は完璧でした」と振り返る。

 こぼんは「よく遊んでくれました。大先輩なんだけど、ものすごく身近な存在。60になってもお年玉をもらいました。舞台では『あの人の後はやりたくない』という芸人さんが多かった。それだけウケた」、おぼんは「サービス精神と面倒見とキップがよくて、粋(いき)な人。下ネタを言っても、やらしくない」と人柄を語った。

 この日、浅草・東洋館の舞台に上がった2人は、ケーシーさんの口調をまねながら「お悔やみ申し上げます」と故人をしのんだ。

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