佐藤浩市&渡辺謙 福島第一原発描く作品「絶対に忘れてはいけないことがある」
俳優・佐藤浩市(58)と渡辺謙(59)が17日、都内で行われた映画「Fukushima50(フクシマフィフティ)」(2020年公開)のクランクアップ会見に出席した。
2011年の東日本大震災で津波に遭い、大きな被害をもたらした福島第一原発事故を描いた作品。1・2号機の当直長・伊崎利夫を演じた佐藤は「まだ8年なのか、もう8年なのか…。是か非かではなく、何が必要、何が不必要か、ということをおのおの感じてもらいたい」と映画に込めた思いを語った。
劇中では被災した原発がリアルに再現されており、事故の苦い記憶を思い起こさせる形にもなる。それでも「人間は忘れなければ生きていけないこと、絶対に忘れてはいけないことがある。この映画は後者」と力説。「この映画をみてくださった方が、劇場から出て、町並みを見て行き交う人を見て、どう思うかです」と問いかけるように語った。
一方の渡辺は、事故当時の福島第一原発所長で、13年に亡くなった吉田昌郎さんを演じる。これまでボランティアで被災地を訪れるなどしており、現実を目の当たりにしているだけに「福島(第一原発)はなかなかエンターテインメントで力を貸すということがなかなかできなかった」ともどかしい思いを抱えていたことも明かした。
しかし、ようやく映画という納得のいく形で描くことになり、感慨深げ。「一番力を発揮できる映画で、関わらせていただけました。こういう作品をとどけることができます、と言いたいです」と熱い思いを明かした。