宝塚席次は全て成績順 生涯精進を!音楽学校祝辞 お手本は月組2番手・美弥るりか

 タカラジェンヌを育成する宝塚音楽学校(小林公一校長)107期生の入学式が18日、兵庫県宝塚市の同校で行われ、40人が夢への第一歩を踏み出した。22・9倍の難関を突破した新入生に、小林校長は「みなさんの後ろには22人の涙があることを忘れず、夢を実現する代表者の自覚を持ってほしい」と式辞を述べた。

 入学式では、新入生たちは舞台に向かって上手(右手)から五十音順で着席した。通常、宝塚歌劇団ではすべてが成績によって席次が決まる。スターであってもパンフレットや公式な刊行物の表記はすべて成績順。音楽学校でも同様で、角和夫理事長も「厳しいことを言うようですが、今日はあいうえお順ですが、一度試験があれば、成績順に変わります」と祝辞で述べるほど、競争は苛烈を極める。

 この試験は音楽学校の2年間だけではなくだけではなく、宝塚歌劇団に入団後にも行われる。「研1、研3、研5と試験はあり、特に研5の成績は一生の席次としてついて回るのはご存知の通り。長期的には一生精進し続けなければいけないが、とりあえず、卒業までの2年間頑張ってほしい」と角理事長も奮起を促した。

 奮起を促すにあたり、6月に退団する月組2番手スター・美弥(みや)るりかがフェアウェルディナーショーで「6月9日の(東京宝塚劇場の)千秋楽まで努力を続ける」とあいさつしたのを引き合いに出した角理事長。「彼女は音楽学校も含めると19年間、宝塚のために頑張っていただいた方です。その方にして『日々精進し続ける』『少しでも上の舞台を目指す』とおっしゃっている。舞台人というのは一生、精進が必要」と激励した。

 また宝塚の大ヒットミュージカル『ME AND MY GIRL』のセリフも引用。「あなた方は約1000人から選ばれた40人。『貴族には義務がある』とセリフにありますが、みなさんにも素晴らしい舞台を作る義務がある」と説いた。

 入学式後には、さっそく成績上位4人が代表インタビューに出席。首席入学し、式で答辞を述べた娘役志望の関谷美咲さんは「憧れのグレーの制服を着て、校歌を歌ったときは本当に感激した。同期40人と切磋琢磨していきたい」と瞳を輝かせた。2番の男役志望の渡邊凛々子さんは「感動して、涙が出ました」、3番の辻本朱里さんも男役志望で「誇りを持って2年間を過ごしたい」、4番で娘役志望の西村日向子さんは「令和の時代もより輝く宝塚にしたい」とそれぞれ熱く豊富を語っていた。

 40人は2年間、歌やダンス、芝居など舞台の基礎をみっちりとレッスン。切磋琢磨しながら2021年春の初舞台を目指す。

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