「子連れ狼」原作者の小池一夫さん死去 肺炎、82歳

 劇画の巨星落つ!「子連れ狼」の大ヒットで知られる漫画原作者の小池一夫(こいけ・かずお、本名俵谷星舟=たわらや・せいしゅう)さんが17日午後8時頃、肺炎のために都内の病院で死去していたことが19日、分かった。小池さんの公式ツイッターで公表された。82歳。秋田県大仙市出身。葬儀・告別式は近親者で行った。ドラマ「子連れ狼」主演俳優の北大路欣也(76)や門下生の漫画家らがこの日、一時代を築いた巨人を悼んだ。

 セックスとバイオレンスに彩られつつも、ヒューマニズムに満ちた世界を描き続けた巨匠が逝った。この日、「かねてより入院加療中であった小池一夫は肺炎により4月17日永眠いたしました。生前は多くの方々に小池一夫と小池一夫作品を愛していただき、心より感謝申し上げます。なお故人の遺志により葬儀は親族のみで執り行いました」と、訃報がつぶやかれた。

 1936年生まれ。大学卒業後、作家の山手樹一郎氏に師事。68年、さいとう・たかを氏のさいとう・プロダクションに採用されて「ゴルゴ13」、「無用ノ介」、「影狩り」などの原作を手がけ、70年に独立してデビュー。この年、代表作「子連れ狼」、「御用牙」、「高校生無頼控」の連載を開始し、以後、週刊誌や青年漫画誌を中心に活躍した。「ん」を「ン」と表記するなど、こだわりの言葉遣いも人気を呼んだ。

 娯楽色の強い作風で映画化、ドラマ化される作品が相次ぎ、特に「子連れ狼」は米国でも出版されて大ヒット。主題歌も大ヒットし、笑福亭仁鶴が主演するパロディーCMまで製作された。80年代はゴルフ漫画に新境地を開き、「紅い芝生」、「キンゾーの上ってなンボ!」、「明日カップ・イン」などのヒット作を連発した。

 近年は版権を巡るトラブルで全作品の著作権・版権を手放すことになった。一方で2010年に始めたツイッターの人生訓が評判を呼び、ツイートをまとめた書籍がロングセラーとなるなど晩年まで幅広い支持を得た。

 死去した17日、漫画家モンキー・パンチさんを悼み「漫画アクションの初期に人気争いをしたライバルでもあった。一緒に組んで漫画も作ったなあ。淋しくなるなあ」とツイートしたが、後を追うように旅立っていった。

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