【弁護士の見解】NGT山口真帆の卒業 発言すべて事実なら組織的パワハラ
アイドルグループ・NGT48の山口真帆(23)が、21日の卒業発表で、運営会社・AKSの社長から「会社を攻撃する加害者」などと言われ、卒業に追い込まれたと明かしたことについて、「弁護士法人・響」の西川研一代表弁護士が23日、デイリースポーツの取材に対応。山口の発言がすべて事実なら、国が定めたパワーハラスメントのガイドラインに抵触する可能性が高いとした。西川弁護士はさらに、3月21日に発表された第三者委員会の報告書についても言及。NGT側の対応がずさんであったと指摘した。
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山口のグループを去る決意は、組織的な“パワハラ”によるものだったのか-。西川弁護士は「山口さんのおっしゃっていることがすべて事実だと仮定した上でですが」と前置きし、「厚労省のパワハラに関するガイドラインに抵触する可能性は十分ある」とした。
厚労省によるパワハラの規定は「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為」。芸能事務所の場合も、一般的な雇用契約とは若干、異なるものの、事務所がタレントに対して優位性を持つという見方ができるという。
その上で、西川弁護士は「どの点を検証対象にするかは難しいですが、やはり『加害者』だとか、『(問題から目を)そらさないなら辞めろ。新生NGT48は始められない』という発言は、やはりパワハラになり得るでしょう」と話した。
また、山口の暴行騒動に対する第三者委員会の報告書については「一定の評価はできますが、山口さんが会見中にツイッターで反論したところから、山口さんへの聞き取りについて、もう少し踏み込む余地はあったと思う」と分析。とりわけ、山口のツイートを取り上げ「取締役から(ファンへの)謝罪を強要されたとありましたが、事実なら明確にハラスメントに該当するでしょう」と断じた。
その上で「報告書を読んだ印象としては、AKS側の対応に問題があると感じた」と発言。「正直、暴行で済んで良かった、という話。傷害事件やそれ以上に発展してもおかしくなかった」とし、「芸能的な業務提携においても、メンバーが安全に業務を行うことができる環境を保つ『安全配慮義務』に違反しているのではと感じました」と語った。