鈴木奈々の遅延始球式でスポンサーが謝罪…ファン激怒の理由と今後への教訓
27日に行われたプロ野球「楽天-ロッテ」(楽天生命パーク宮城)で、タレントの鈴木奈々が務めた始球式の影響で試合開始が遅れ、来場客やファンから非難が殺到した。
同戦は鈴木がイメージキャラクターを務める太子食品が「タイシデー」としてイベントを行っていたことから、同社が28日になって、公式ツイッターで「皆様にご迷惑をお掛けした事、大変申し訳ございませんでした」と謝罪した。
当日はマウンドに上がった鈴木が、打席のロッテ・荻野、先発マスクの楽天・嶋に「待って待って」と連呼。「行きます!」と10回以上叫びながらボールを投げず、投球モーションを一度やめる演出も加え、後方に待ち構えていたマスコットをずっこけさせた。
ただ、冷たい雨も降り、試合開始も目前。「ボークだぞ」と笑っていたファンも次第にいら立ち始め、「早く投げろ!」と怒号が飛び交った。マスコットが腕時計をさすポーズで催促し、鈴木はようやく投球。捕手の手前でバウンドし、「うわー」と悔しそうにその場でうずくまった。
投球後、異様な空気を察したのか、鈴木は猛ダッシュでベンチへ。だが、遅延始球式の影響で試合開始は4分遅れとなった。その後、球団を通じて「すごく緊張して、投げるタイミングを逃してしまった」と反省のコメントも発表した。
選手は真剣勝負を控え、ファンはプレーボールを待ち構えている状況。先発投手はプレーボールに合わせてブルペンで肩を作り、コンディションを整えている。鈴木がまっさらなマウンドに両手と両膝をつく動作も、先発投手に配慮を欠いた行為ととられても仕方なかった。楽天の先発・美馬が立ち上がりに崩れ、二回までに5失点したことで、ネット上にはその要因を鈴木の始球式に結びつける声もあった。
近年、プロ野球の始球式ではゴールデンボンバーの樽美酒研二やEXILE、GENERATIONSの関口メンディー、稲村亜美らの剛速球が話題になった。DeNAの試合ではタレント・柳沢慎吾やダチョウ倶楽部が鉄板ネタを織り交ぜた始球式でファンを笑わせてきたが、これらは試合開始までに十分な時間を取っていた。
今回、鈴木が行った始球式は監督同士がメンバー交換後に行う通例のもの。鈴木としてはわずかな出演時間で、タレントとしての“仕事”を全うしたかった思いもあるだろう。ただ、あくまで主役は選手。始球式を行う側の最低限の“意識”を欠いていたことから、太子食品も「私達スポンサーの準備・説明不足であったと深く反省しております」と、謝罪する事態にまで発展してしまった。