前天皇、前皇后両陛下 公務退き読書や音楽などお楽しみに お住まいは仙洞仮御所へ
江戸時代の光格天皇以来202年ぶりの生前譲位によって、新天皇陛下が1日午前0時、皇太子から即位された。30年余り続いた「平成」が終わり、「令和」に改元された。新陛下は59歳で、戦後生まれの初めての天皇になった。85歳の前天皇陛下は、一連の皇室行事を経て、4月30日限りで退位し、上皇となった。
前天皇、前皇后両陛下は退位後、時期をみて現在の住まいの皇居・御所を離れ、東京都港区の「仙洞(せんとう)仮御所」(現高輪皇族邸)に移られる。全ての公務は、新たに即位する新天皇陛下に譲る。今後は知人と会ったり、音楽や読書を楽しんだりして穏やかな日々を過ごしながら、国と人々への祈りも続けていくという。
仙洞仮御所は東京・元赤坂の東宮御所のバリアフリー工事などが終わるまでの仮住まいで、最長1年半程度をここで過ごす。改修した東宮御所は「仙洞御所」に呼び名を変え、両陛下が移り住む。若い頃に子育てをした思い出の場所に戻ることになる。
仮御所の庭は手狭で、日課の散策ができなくなるため、移住後も皇居内の庭園・東御苑を訪れたり、陛下のハゼ研究の拠点である生物学研究所に足を運んだりする予定だ。
前皇后さまは昨年10月に宮内記者会に寄せた文書で、代替わり後の暮らしについて「手つかずになっていた本を、これからは1冊ずつ時間をかけ読めるのではないかと楽しみにしています」と思いを巡らせた。