202年ぶり退位おごそかに 天皇のみが着用できる古式装束で在位中最後の宮中祭祀

 江戸時代の光格天皇以来202年ぶりの生前譲位によって、新天皇陛下が1日午前0時、皇太子から即位された。30年余り続いた「平成」が終わり、「令和」に改元された。新陛下は59歳で、戦後生まれの初めての天皇になった。85歳の前天皇陛下は、一連の皇室行事を経て、4月30日限りで退位し、上皇となった。

 前天皇陛下は、30日午後5時から宮殿「松の間」で催された正殿の儀では、安倍晋三首相の国民代表の辞に続き、前陛下が在位中最後の「お言葉」を述べた。

 それに先立ち、午前10時すぎから、皇居・宮中三殿で、在位中最後の宮中祭祀(さいし)に臨まれた。歴代天皇などに代替わりの重要儀式「退位礼正殿(せいでん)の儀」を執り行うことを報告する儀式で、「退位礼当日賢所大前(かしこどころおおまえ)の儀」と「退位礼当日皇霊殿神殿(こうれいでんしんでん)に奉告の儀」と呼ばれる。

 宮中三殿の儀式で前陛下がまとったのは、即位の礼などの重要儀式で天皇だけが着用できる古式装束「黄櫨染袍(こうろぜんのほう)」。皇祖神とされる天照大神(あまてらすおおみかみ)を祭る「賢所(かしこどころ)」から順に三殿を参拝し、退位礼正殿の儀をこの日執り行うことを告げる「御告文(おつげぶみ)」を読んだ。午前11時15分すぎに終了した。

 新天皇陛下や皇嗣秋篠宮ご夫妻ら皇族も出席し、拝礼した。首や腕に痛みがあることから、近年は宮中祭祀に臨んでいなかった前皇后美智子さまは、この日も参列を控え、住まいの御所で過ごした。新皇后雅子さまも体調を考慮し、欠席した。

 3月中旬から、初代天皇とされる神武天皇の陵(奈良県橿原市)や伊勢神宮(三重県伊勢市)、昭和天皇陵(東京都八王子市)などを巡った一連の退位関連儀式や祭祀は、正殿の儀で完結する。

 一連の儀式のうち正殿の儀は、内閣の助言と承認が必要な国事行為と位置付けられている。

 前陛下は正殿の儀を終えた後、同日夕から夜にかけ、宮殿や御所で皇族や宮内庁職員らからあいさつを受ける行事をこなした。午後7時半ごろで天皇として臨む行事は全て終わり、静かに退位の時を迎えた。

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