新天皇陛下 留学経験あり 戦後生まれ初の天皇 国際感覚とともに庶民感覚も
新天皇陛下が1日、皇太子から即位された。30年余り続いた「平成」が終わり、「令和」に改元。新陛下は59歳で、戦後生まれの初めての天皇になった。前天皇陛下は4月30日限りで退位し、上皇となった。天皇の退位は、江戸時代の光格天皇以来202年ぶりで、憲政史上初めて。前陛下は30日夕、皇居・宮殿「松の間」で代替わりの重要儀式「退位礼正殿(せいでん)の儀」に臨んだ。在位中最後のあいさつで「象徴としての私を受け入れ、支えてくれた国民に、心から感謝します」と述べた。
新天皇陛下は1日午前、宮殿で執り行われる国事行為の「剣璽(けんじ)等承継の儀」と「即位後朝見(ちょうけん)の儀」に相次いで臨む。
いずれも即位後間もなく行われる重要儀式。承継の儀では「三種の神器」の一部である剣や璽(じ)(勾玉(まがたま))、国の印の国璽(こくじ)、天皇の印の御璽(ぎょじ)を受け継ぐ。朝見の儀では、三権の長らと面会して新天皇として最初のお言葉を述べる。
新天皇陛下は留学経験のある初の天皇だ。英オックスフォード大在学中に自由な生活を謳歌(おうか)し、これまでの天皇にない国際感覚とともに、「庶民感覚」を身に付けた。寮の部屋には当時の人気米女優ブルック・シールズのポスターが貼ってあった。留学中に欧州各国を旅行して王室に触れた経験から「国民と近くありたい」との思いがある。戦後生まれ初の天皇でもあり、87年に「僕自身も戦争を知らない世代」と語っている。
皇太子妃だった雅子さまは新皇后に、前皇后美智子さまは上皇后となった。秋篠宮さまは皇位継承順1位の皇嗣(こうし)として皇太子の役割を担い、長男の悠仁さまが継承順2位となる。3位は前陛下の弟の常陸宮さま。
4日に皇居で一般参賀があり、新陛下が即位後初めて一般の国民と接する機会となる。新皇后雅子さまや秋篠宮ご夫妻らも加わる。