EXILE・ATSUSHI 前陛下は「国民のために生きて、平和を願われた」

 平成の音楽史を彩ったEXILEのボーカル・ATSUSHIが、平成最後の日となった30日、39歳の誕生日を迎えた。10年前、前天皇陛下の即位20年を祝う国民祭典で奉祝曲を奉呈しており、前陛下の退位には感慨もひとしお。時代の変わり目のこの日、歌い継ぐべき日本の名曲を集めたソロアルバム「TRADITIONAL BEST」を発売し、平和への思いを胸に、令和にも歌声を響かせ続ける決意を固めた。

 18年前にデビューして、平成を代表する国民的グループへと駆け上がったEXILE。カラオケで平成に歌われたアーティストランキング(第一興商調べ)では、浜崎あゆみに次いで、2位となった。昭和55年生まれのATSUSHIだが、脳裏は平成の輝かしい記憶で埋まっている。

 「平成はとにかく突っ走ったなという感じがします。デビューできたことがすごい大きいですし、初めての武道館、アルバムがミリオンセラーにいったこと、HIROさんの勇退、ソロでドームツアーをやれたこと、留学…時系列で明確に覚えてますね」

 平成21年11月12日、ボーカリストとして“最高の誉れ”に恵まれた。前天皇陛下の即位20年をお祝いする国民祭典で御前唱。「お話をいただいてから半年間、ずっと緊張してたのを覚えてます。当日、すごい寒い中でしたけど、天皇、皇后両陛下が二重橋にお出ましになって。両陛下の方を向いてパフォーマンスをさせていただき、貴重な経験となりました」。万感に浸りながら、奉祝曲「組曲 太陽の国」を届けた。

 「天皇陛下が国民のよりどころであられることを、改めてまざまざと感じました。陛下は国民のために生きて、平和を願われて。平成は自然災害が多かったですけど、昭和には起きた戦争がなかった。どうすれば争いごとが減っていくのか、みんなが優しさを分け合っていけるのかを考え始める大きなきっかけでした、あの日は」。祭典からの帰りの車中で浮かんだ思いを、歌詞としてしたため、「願い」という曲を作り上げた。

 この曲は平成最後の日にリリースしたアルバム「TRADITIONAL BEST」に、童謡「ふるさと」、美空ひばりさんのカバー「愛燦燦」などと共に収録した。“日本の心”をテーマにした作品で、「明治、大正、昭和、平成と時代をまたいだアルバム。(過去の名曲を)後世に伝えていく役割が、自分にも多少なりともあるのかも、と今回は感じさせられました」と使命感を胸に刻む。

 令和には、「個人的には老いとの戦いにもなります。若い時、がむしゃらでやっていた感じとはまたちょっと違って、自分の体と相談し、ゆっくりいい音楽を作っていくイメージ」と思いを巡らせる。所属するLDHには後輩グループが次々と誕生。「Jr.EXILE」と呼ばれるが、「次世代の若いパワーや勢いは、僕らにできることじゃないので、思う存分やってほしい」と新時代の活躍に期待する。

 平成にやり残したことは-。最後に向けられた質問には、「結婚!!」と即答。いたずらっぽく笑って、平成ラストに“オチ”をつけた。

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