新人俳優の細田佳央太（ほそだ・かなた＝１７）が映画「町田くんの世界」（６月７日公開）で映画初主演する。約１０００人のオーディションを勝ち抜き、新人女優・関水渚（２０）とのＷ主演に抜擢。「舟を編む」を手掛けた石井裕也監督（３５）の下、ＥＸＩＬＥ・三代目Ｊ　ＳＯＵＬ　ＢＲＯＴＨＥＲＳの岩田剛典（３０）、女優・高畑充希（２７）、前田敦子（２７）、松嶋菜々子（４５）ら豪華キャストが集まる作品でメインを張った新人に迫った。

　初主演を射止めた高校３年生の“超新人”は、「オーディションで選んで頂き、めちゃめちゃ、うれしかった」と初々しく喜びを語った。

　岩田、高畑、前田、松嶋を始め、女優・戸田恵梨香（３０）、俳優・太賀（２６）、池松壮亮（２８）、北村有起哉（４５）、佐藤浩市（５８）と、そうそうたる顔ぶれが集う中、石井監督から「この人と組めば間違いない」と見いだされた。

　「すごい方々ばかりで驚いた」と不安もあったが、太賀や岩田らから、「学校楽しい？」などと話しかけられたことを明かし「プライベートのことを聞いて下さり、張り詰めていた糸をほぐしてくださった」と感謝した。

　主演作となる映画は、漫画家・安藤ゆき氏の同名漫画が原作。勉強も運動も苦手だけど困った人は全力で助ける高校生・町田くん（細田）を描く。人類を家族のように愛する町田くんが「好き」や「恋」といった「わからない感情」に出会うことで予測不能のドラマが動く。

　演技以上に、「町田くん」を捉えることに一番苦労したといい、「僕にとっては町田くんが“わからない”でしたね」と笑う。

　役柄とシンクロする部分もある。町田くんが女性を慰めるために頭を撫でるものの、「好きな子にしかやっちゃいけないの」と言われて考え込むシーンでは、「小さい頃に妹の頭を撫でていたので、『そうなの？』と素で出た。あ、駄目なんだ」と苦笑しながら振り返った。

　芸能界への道は小学校２年時の一言がきっかけだった。「テレビの中に入りたい」。テレビや好きなゲームのＣＭを見ているときに願望が芽生え、母親が履歴書を送ってくれた。最初は雑誌に登場。その後もテレビＣＭや登場人物の幼少期などを演じてきた。中学３年から高校１年の頃に演技のダメ出しを受け「もっとやりたい」と情熱が高まった。

　令和を駆ける期待の新人は、「町田くんが大きな基盤になった。すごい役者さんになっていきたい」と決意。意気込む瞳はキラキラと輝いていた。