読売テレビ「ten.」番組内で問題コーナーを約20分検証、再び謝罪
性別を探る企画が問題になった読売テレビの夕方のニュース「かんさい情報ネット ten.第1部」(月~金曜、後4・47、関西ローカル)で15日、「5月10日放送の問題について」として、あらためてなぜ放送に至ったのかを、コーナーに激怒したメンテーターの作家・若一光司氏らとともに、約20分に渡り検証、謝罪した。
冒頭、中谷しのぶアナウンサーが「私たちは報道機関として人権上、著しく不適切な放送をしてしまいました」と謝罪。山川友基解説委員が、セクシャリティに踏む込みすぎたことに『協力していただいたご本人への取材に傾注するあまり、人権上の社会的配慮が欠如していたこと』『厚意で取材に協力して下さった方々にご迷惑をおかけすることになったこと』を問題点として上げた。
また若一氏は「正直に言いまして、怒りを感じました。完全なプライベート侵害、人権蹂躙」と振り返った。そのうえで「どう対応するか迷いました」と吐露。「自分が声を出したことで怒鳴ってしまうことで、また別の不快感を与えるかも」といったことがよぎり、番組終了後にスタッフに問題提起することも考えた。だが「いままさに、この放送で傷ついている人がいる」と声を荒らげるに至ったことを明かした。
本業は作家で自殺関連の本も執筆している若一氏。「少数のセクシャリティが差別を受け、いじめを受けて自殺まで至った方もいる。これを見て心を痛めている方がいる。だからこれを黙って放送すると、我々テレビがこういうことをすると、許されるんだと(思われてしまう)」と語った。その一方で「一部の方から『あそこまでの怒り方をされて不快に感じた』『怒りで体がすくんだ』と。私自身が表現するスキルが低かった」と反省を口にしていた。
中谷アナは「放送が不適切だと感じていましたが、言葉にできなかった。若一さんからご指摘いただいたにもかかわらず、番組を進行してしまった。多くの皆様に不信感を抱かせることになりました」と再度謝罪。「慎重に点検し、再び信頼いただける番組にするため、スタッフ一同努力いたします」と深々と頭を下げていた。