高齢運転手に娘が…テレ東番組が反響 加害者が裁判中に死去で父悔し涙
15日にテレビ東京で放送された「家、ついて行ってイイですか?」の内容がジワジワと反響を呼んでいる。この日の放送では、80歳高齢ドライバーの事故に巻き込まれ娘を亡くした板前男性が登場していた。
この番組は、声をかけた一般の人の家にスタッフが一緒に行き、話を聞くというもので、その人に隠されたさまざまなドラマを紹介するというもの。
15日に放送された回では、大宮駅で声をかけた板前男性と一緒に自宅へ。タクシーの中で離婚経験があり、娘が2人いることなどを明るく語っていた。
だが自宅に着くと、一着のスーツがかけられていたことからスタッフが理由を聞くと「今日着たの。娘の裁判」「娘、事故で亡くしてる。それの民事裁判」と明かした。
「3年前、長女が高校1年のときに、浦和で老人に後ろからひかれて亡くなったんだ」と80歳の高齢者ドライバーの事故に巻き込まれたと告白。男性によると、浦和駅に向かって歩いていた長女へ、高齢男性がアクセルとブレーキを踏み間違えて突進。「そのまま壁に向かってうちの娘を押し当てて、5分も6分も10分も降りてこない。周りの人間がダーンと窓を叩いて、それでも降りてこない。『何やってんだ、早く降りろ、バックしろ!』。それでもアクセル踏みつぶしてた」と生々しく語り出した。
男性によると、加害者老人は実刑判決が出たというが、民事はこの秋に判決が出る予定。だが「今日、裁判所に行ったら2月7日に死にましたと。ふざけんなよと。俺、どこに誰に、何を言えばいい?」と唇をかんだ。
長女が亡くなった後は「何も手がつかない」と店を閉めてしまったという。仏壇には「娘がぶつかった車のパイプ」のかけらをしまっており「ここに、娘が痛い思いをしたんだなと。ギュッと握りしめて、少しでも痛さを和らげてあげたくて」と涙を流し「何もしてあげられなかった。抱きしめたいよ」と絞り出した。
そんな男性の支えは次女。17歳となり、亡くなった長女の年齢を超えた。16歳で亡くなった長女の年齢を超え「あの年で手を繋いでくれる。一生懸命やってる姿見るとこっちがもっとしっかりしないといけないなと。逆に救われちゃってる」と泣き笑いを浮かべた。
高齢ドライバーによる事故が相次ぐ中、この告白は多くの人の心を動かした様子。ネットでは「高齢ドライバーの人に見てもらって考えてもらいたい」「免許更新時に今日の家ついて行ってイイですか流せばいいと思う」「車を運転する人は全員見るべき」「心揺さぶられる回だった」など反響の声が相次いでいた。