降旗康男監督死去 高倉健さんと歩んだ日本映画の歴史 百恵さんの「赤いシリーズ」も
高倉健さん主演の「網走番外地」シリーズや「鉄道員(ぽっぽや)」「駅 STATION」「あ・うん」などを手がけた日本を代表する映画監督、降旗康男さんが20日午前9時44分、肺炎のため亡くなった。84歳だった。26日、東映が発表した。通夜、告別式は、生前の故人の遺志により密葬で営まれた。最後の監督作品は17年5月に公開された岡田准一主演の「追憶」となった。
長野県生まれ。浅間温泉で育った。祖父は衆院議員、父は県会議員を務めた後、逓信大臣に就任した。叔父は住友銀行の副頭取(当時)という家柄だった。
1957年、東京大学文学部フランス文学部卒業後、東映に入社。63年、作家・村上元三氏の娘で7歳下の典子さんと結婚。66年、「非行少女ヨーコ」で監督デビューした。菅原文太さん主演「現代やくざ」シリーズや高倉さん主演「網走番外地」シリーズなどを手がけた。
74年に東映を退社し、フリーに。2014年11月に83歳で亡くなった高倉さんとは「ホタル」「あなたへ」など20作でタッグを組んだ。高倉さんについて生前、「どんな役を演じても常に人物の中に高倉健がいましたね」と語っていた。
山口百恵さん主演の「赤い疑惑」から始まった「赤いシリーズ」などテレビドラマも多数手がけた。