天皇、皇后両陛下 晴れやか国際親善デビュー 令和初の国賓 笑顔でお出迎え
1日に即位した天皇、皇后両陛下が27日、令和最初の国賓として来日したトランプ米大統領夫妻と皇居・宮殿「竹の間」で会見され、国際親善デビューした。宮内庁によると、懇談は約15分で、陛下は「即位後最初の国賓としてお迎えできることをうれしく思う」と伝え、トランプ氏は「お招きいただき光栄」「日米は過去の戦争などさまざまな歴史を乗り越え、素晴らしい関係が構築されていると思う」と語った。夜には宮殿の「豊明殿(ほうめいでん)」で宮中晩さん会が行われた。
夏を思わせる陽気の中、天皇、皇后両陛下は笑顔を絶やさず、トランプ米大統領夫妻を迎えられた。27日午前に皇居・宮殿前の東庭で行われた歓迎行事。陛下の即位後、初めての国賓接遇だったが、和やかな表情で務めを果たした。
午前9時20分ごろ、車寄せに専用車に乗った大統領夫妻が到着すると、黒っぽいスーツに青いネクタイをした天皇陛下は笑顔で出迎えて握手、通訳を介さず「初めまして」と言葉を交わした。クリーム色のスーツ姿の皇后さまもにこやかに歩み寄り、メラニア夫人と英語であいさつ。宮殿内に招き入れた。
ヘリコプターが上空を飛ぶ厳戒態勢の中、東庭に出た両陛下と大統領夫妻は、両国の国歌の演奏を聴いた。その後、最高の敬意と歓迎を表す儀仗(ぎじょう)隊からの栄誉礼があり、両陛下は、東庭を歩くトランプ氏を見守った。皇后さまは、隣に立つメラニア夫人を気遣うように何度も視線を向け、言葉を掛けていた。
歓迎行事の後、両陛下と大統領夫妻はにこやかに言葉を交わしながら、宮殿に入り、「竹の間」での会見に臨んだ。
宮内庁によると、両陛下は大統領夫妻に気を配りながら、会話を楽しんだという。陛下は通訳を交えつつ、皇后さまは終始英語で話した。陛下は大統領夫妻から趣味のビオラ、皇后さまは母校ハーバード大で伐採した木で作られたペンを贈られた。大統領へは、濃い青色の円すい形の飾り鉢、メラニア夫人へは金細工を施した飾り箱を贈った。
皇后さまは、ビオラを手にした陛下に「今夜(の宮中晩さん会で)お弾きになられたら」と進言する場面も。陛下は笑顔を見せられたという。
所作のところどころにまだ慣れない様子があったが硬さは見られず、初々しい中にも、豊富な海外経験で培った国際親善への自信を感じさせた。