川崎児童殺傷事件 襲われ死亡の外務省職員・小山智史さんはミャンマー語の専門家
川崎市多摩区登戸新町の公園近くの路上で28日午前7時40分ごろ、男が私立カリタス小学校(多摩区)のスクールバスを待っていた児童らを次々と刃物で刺した。神奈川県警や搬送先の病院によると、児童17人と大人2人の計19人が刺され、うち小学6年の女児(11)と、別の児童の保護者の小山智史さん(39)が死亡した。ほかに小1などの女児2人と40代女性1人が重傷。犯行に及んだ川崎市麻生区の岩崎隆一容疑者(51)は自分で首付近を刺した後身柄を確保されたが、死亡が確認された。
カリタス小に在学する娘を送る際に、襲われ死亡した外務省職員の小山智史さんは、ビルマ語の専門家として省外でも知られた存在だった。東京外大卒でアウン・サン・スー・チー国家顧問兼外相ら両国要人の行き来の際は通訳などに従事していたという。前駐ミャンマー大使の樋口建史氏は外務省から連絡を受け「若いがあらゆる褒め言葉が当てはまる。ものすごいショック」と動揺を隠さなかった。
夫婦仲が良く、子ども好き。休日には自宅近くで遊ぶ姿も。周囲からは「将来の日本とミャンマーの外交で大きな責任を期待されていた」と、早すぎる死に、悲しみの声が上がった。