川崎児童殺傷事件 近隣住民と話さない岩崎容疑者が…この日は「おはようございます」

 川崎市多摩区登戸新町の公園近くの路上で28日午前7時40分ごろ、男が私立カリタス小学校(多摩区)のスクールバスを待っていた児童らを次々と刃物で刺した。神奈川県警や搬送先の病院によると、児童17人と大人2人の計19人が刺され、うち小学6年の女児(11)と、別の児童の保護者男性(39)が死亡した。ほかに小1などの女児2人と40代女性1人が重傷。犯行に及んだ川崎市麻生区の岩崎隆一容疑者(51)は自分で首付近を刺した後身柄を確保されたが、死亡が確認された。

 自殺した岩崎容疑者は、自宅で親族とみられる高齢の男女と暮らしていた。近隣住民との付き合いはほとんどなかったが、ささいなトラブルから怒鳴り散らす一面もあった。

 「おはようございます」。事件発生約40分前の午前7時ごろ、いつもは話しかけてこない岩崎容疑者が、近所の40代の女性にあいさつしてきた。その後、小走りで最寄りの小田急線読売ランド前駅方面へ走り去った。

 昨年夏ごろには、女性宅の木の枝を巡りトラブルになった。早朝にインターホンを鳴らし「枝が公道にはみ出ていて目に当たる」。岩崎容疑者はまくしたてるように長時間怒鳴っていたという。

 地元の小、中学校を卒業したとされるが、その後の生活ぶりを知る人は少なく、近所の男性は「母が最近になって久しぶりに見たと言っていた」と話した。

 近くに住む高齢の女性は「数日前に買い物袋を両手に、うつむき気味に歩いているのを見掛けた。こんな事件を起こすなんて信じられない」と驚いた様子だった。

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