NHK、出演客が“サクラ”だった…160カ国に意図せずヤラセ放送
NHKは29日、東京・渋谷の同局で緊急会見を開き、国際放送・ワールドJAPANで昨年11月に放送したドキュメンタリー番組で、流行するレンタル家族サービス業者の利用客として出演した3人が、業者側の“サクラ”だったことが判明したと発表した。160の国と地域に向け意図せずヤラセ番組を放送する結果となり、謝罪した。
レンタル家族は、客のニーズに応じ、業者が家族などを演じるスタッフを派遣するサービス。番組では都内業者を利用した男女3人が、それぞれ友人役、恋人役、家族役を派遣してもらう様子を放送。3人は顔出し出演し、利用経緯、感想などを語っていた。
しかしNHKによると、利用客の男女3人は、業者社長に頼まれ客を装った同社スタッフだった。同局に先週末に週刊誌から問い合わせがあり、聞き取りを行った結果、社長が「顔出しで協力してもらえる客が見つからず、スタッフに頼んだ」「独断でやった」と認めたという。
NHKの説明では、ディレクターが事前に出演する3人との打ち合わせを希望し、社長から3種類のメールアドレスを教えられたが、全て社長のもので、その後のメール応答は社長のなりすましだったという。
NHKは今回の件を「架空のセッティングをされることは想定していなかった」とするも、再発防止に向け検証し、視聴者への説明・謝罪も行う予定。