横山たかしさん密葬 ひつぎに金ピカ衣装 ほら吹き漫才で一時代 70歳、多臓器不全
「すまんのぉ~」などのギャグと大金持ちのおぼっちゃまキャラで人気を博した漫才コンビ、横山たかし・ひろしの横山たかしさん(本名・山高孝)が1日午前3時51分、多臓器不全のため大阪市内の病院で死去していたことが2日、分かった。70歳だった。同日、所属事務所の松竹芸能が発表した。通夜は1日、葬儀・告別式は2日に密葬にて執り行われた。後日お別れの会が開かれる。
ひつぎに収められたトレードマークの金ピカ衣装とともに、たかしさんが師匠・横山やすしさんが待つ天国へと旅立った。故人の遺志で2日に密葬が執り行われ、相方の横山ひろし(72)や弟子たちが見送った。
今年4月、体調を崩し検査入院。入院生活が続き、1日未明に容体が急変。妻や息子に看取られながら亡くなった。昨年12月24日、大阪市で行われた松竹名人会が最後の舞台となった。
たかしさんは愛媛県出身。68年、松竹新喜劇の俳優・曽我廼家明蝶が主宰する明蝶芸術学院で、相方のひろしと出会いコンビを結成した。同年8月、横山やすしさんに弟子入りし、69年11月に新世界・新花月で初舞台を踏んだ。
不遇の時代も味わったが、91年ごろから金ラメスーツを着用。大金持ちのおぼっちゃまキャラを自称するほら吹き漫才のスタイルを確立。「すまんのぉ~」「笑えよ~」などの流行語を生み、94年には上方漫才大賞を受賞した。
14年にヘルニアを伴う脊柱管狭窄症で2度手術を受けた後に長期休養。18年1月にも腸腰筋膿瘍(のうよう)の手術を受けた。
病気の原因について「38億円の純金衣装が重すぎて、腰を悪くした」と主張。ますだおかだ・増田英彦の発案で、歩くのもままならない症状を逆手にとった“48億円の純金製”金ピカ車いすに乗り舞台に立った。持ち前の大ぼらは健在だったが「足や腰は思うようにいかん」と動かぬ体と闘っていた。
熱烈な阪神ファンとしても知られ、デイリースポーツの中央競馬面で予想コラムも担当していた。ひろしや弟子を残し、先立ったたかしさんだが「すまんのぉ~。笑えよ」と、天国で赤いハンカチをくわえているに違いない。