横山たかしさんの相方・ひろし 会見で号泣「いい夢見させてくれた」
多臓器不全のため1日に70歳で亡くなった漫才師・横山たかしさんの相方、横山ひろし(72)が3日、大阪市・DAIHATSU心斎橋角座で会見し、「いい夢を見させてくれた。闘病も漫才も一生懸命頑張った」と号泣しながらたかしさんの死を悼んだ。
舞台上で金の車いすの横に立ったひろしは、「ここに立ちたくても立てなかったので、喜んでいると思います」とたかしさんの気持ちを代弁した。最後に見舞ったのは5月31日。「それまでは冗談っぽく『はーい、頑張れよ』と話していたが、様子が違った。肩で息をして、点滴の針も通らない。顔を見るとつらいが、50年間のお礼を言いたくて、手を握っていろいろ話したんです」と最後の会話を振り返った。
「たかしは力一杯握り返してくれた」としYouTubeで自分たちの漫才を見せたという「意識は向こうへ行ってるみたいで、目はうつろ。でも目で画面を追っていた。『さあ舞台やで。行くで』と言ったら『分かったよ、はいはい』と、今までで一番大きな声で返した」と、漫才師の魂を振り絞るような様子だったという。
別れ際、たかしさんが「眠いんよ」と話したため「疲れてるからな。ゆっくりな」と病室を出たという。
最後に漫才をしたのは昨年12月24日。以後は「会いに行くとプレッシャーになる」と、半年ほど見舞いに行かなかったというが、2週間ほど前にたかしさんの夢を2度見たという。「親の夢も見ないのに、相方が立ってて、普通に話してたんです」と振り返った。
2日に営まれた告別式では、棺のたかしさんにトレードマークの金ぴか衣装を着せた。赤いハンカチも、弟子が胸元に置いたが、ひろしが口元を少し開けさせ、ハンカチをくわえさせた。「あっち(天国)へ行って、だれか分からんかったらあかんから」と、元気に「すまんのう~」とネタを披露していた通りの姿で、参列者の力一杯の拍手で送り出したという。