羽生九段 歴代単独最多1434勝 金字塔も「非常に怖かった」

 祝福の拍手を受け恥ずかしがる羽生九段=東京・将棋会館 
 永瀬拓矢叡王(右)を破って通算1434勝を飾り、単独1位となった羽生善治九段 
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 将棋の羽生善治九段(48)が4日、東京・千駄ヶ谷の将棋会館で指された第60期王位戦挑戦者決定リーグ白組プレーオフで、永瀬拓矢叡王(26)に133手で勝利。公式戦通算1434勝目を挙げ、故・大山康晴十五世名人を上回って歴代単独最多勝となった。史上初の七冠独占や永世七冠を成し遂げた将棋界の生けるレジェンドが、また新たな金字塔を打ち立てた。

 現役タイトルホルダーを力でねじ伏せ、前人未到の頂に立った。熱戦を制した直後は、厳しい表情で「非常に怖かった」とポツリ。記念すべき勝利について問われ、「今年に入ってから、目標にしていた。今日達成できて良かったです」と、ようやく安どの表情を浮かべた。

 数々の記録を塗り替えながら、その記録にほとんど執着を示してこなかった羽生九段が、珍しく「目標にしていた」と明言した記録。「大山先生の時代とは棋戦の数も違いますし、比較することは難しい」としつつ、「数字の上で抜けたということは、棋士として大変ありがたいこと」と静かに喜びを表した。

 デビューから30年以上を経て、誰もが認める最強棋士の座に付いても、初心と探究心を失うことはない。この日も対局前、先に入室して下座に座っていた永瀬叡王を、規定通り上座に座るよう促した。タイトルホルダーを相手に「挑む」思いで挑んだ大一番。積極的な指し回しで中盤から優勢を築くと、そのまま終盤も余裕を持って押し切る完勝。過去3勝7敗と分が悪かった永瀬叡王に、ここぞのところで力を見せつけた。

 「1局指せば、また新しい発見もある。そこは1つのモチベーションに間違いなくなっている」と、求道者であり続ける羽生九段。この日の勝利で、6日に行われる第60期王位戦挑戦者決定戦に進出。これに勝てば、三冠を保持する豊島将之王位(29)へ、タイトル通算100期をかけた挑戦となる。「また2日後の対局に集中して、ひのき舞台にまた出られるように頑張りたい」とキッパリ。前を見据える視線は、若々しいままだった。

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